SEAnews 2004-04-28 ArtNo.33274

【ムンバイ】マハラシュトラ州Mumbai拠点のReliance Infocomm Ltdは、香港拠点のNews Corpが近く売りに出すHughes Software Systems(HSS)の55％権益に入札するものと見られる。
エコノミック・タイムズが4月24日報じたところによると、これは繊維貿易業者からインド最大の石油／石油化学企業に変身したReliance Industries Ltd(RIL)がテレコム産業の全ての領域にプレゼンスを築く布石と見られる。
Reliance Infoスポークスマンはコメントを控えているが、消息筋によると、僅か1年でインド最大のワイヤレス・サービス・プロバイダーに成長したReliance Infoは、ＨＳＳが保持するテレコム・ソフトウェア開発領域のノーハウに関心を寄せている。ＨＳＳはモバイル・フォーン、3Ｇ、広帯域関連のソフトウェアを開発する能力を備えている。Reliance InfoはCDMA技術をベースにした移動体通信サービスを600万人以上の顧客に提供するとともに、国内長距離電話及び国際長距離電話サービスを手掛け、家庭と法人を対象にした広帯域サービスも近く開始する。
ＨＳＳはインド最大のテレコム・ソフトウェア会社の1社に数えられ、移動体通信ソフトウェアの開発とともに、アウトソーシング・サービスやネットワーク・マネージメント・サービスも提供している。昨年はカルナタカ州Bangaloreを拠点にインターネット・プロトコル／3Ｇソフトウェア・サービスを提供しているTenet Technologiesを買収した。
General MotorsからHughes Electronicsを買収した際、ＨＳＳ権益を手に入れたNews Corpは、Hughes Electronics社が所有する米国の家庭にデジタルＴＶ番組を提供する衛星ＴＶ放送会社DIRECTVの権益に関心を抱いていたとされる。
ＨＳＳ権益の入札は、向こう数週間内に募集される見通しで、Warburg PincusやGeneral Atlantic Partners等の民間投資ファンドの他、シンガポールの政府系投資会社Temasek Holdingsも地元パートナーと提携し、入札するもようだ。またＨＳＳのマネージメント・チームも入札を準備しているとされる。
Rupert Murdoch氏のNews Corpは、売上げの約5倍、4億4000万－5億米ドルで売却することを希望しているようだが、一部の入札者は同オファー価格は余りに高すぎると感じるかも知れない。