2004-04-26 ArtNo.33246
◆IOC、Paradip製油所にUS$16億芳香族プラント併設
【ムンバイ】国営Indian Oil Corporation (IOC)は、オリッサ州Paradipに建設する製油所に年産80万トンのエチレン・クラッカーを併設する。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが4月24日報じたところによると、IOC幹部は同紙に以上の計画を語った。それによると、石油化学プロジェクトは主に中国市場をターゲットにしたもの。製油所と同じコンプレックス内に総コスト7000クロー(US$16億)の芳香族プラントを設けるため設計に調整を加えている。
Haldia Petrochemicals Ltd (HPL)への出資計画が実現しなかったことから、HPLに予定していた投資は新クラッカー事業に回される。IOCは東海岸に年間原油処理能力900万トンの製油所を建設する計画に既に着手している。
IOCは同様のキャパシティーの石油化学プラントをグジャラート州かハリヤナ州に同社が設けた製油所に併設することも計画している。
またグジャラート州の直鎖アルキル・ベンゼン(LAB:linear alkyl benzene)プラントの年産能力は12万トンから15万トンに拡張する。アナリストらは2005-07年の間に石油化学市況がピークに達すると見ており、こうした点も配慮して両石油化学プラントは2007年までに設ける計画だ。
IOCは大規模なエチレン製造能力を備えることにより、石油化学ビジネス領域におけるプレゼンスを強化する計画で、両プロジェクトのキャパシティーを何れも100万トンに拡張する可能性も検討している。これほどのサイズの石油化学プロジェクトは、世界的にも2、3存在するに過ぎない。国内ではReliance Industriesのみがこの種のキャパシティーを保持しているが、IOCはどうしても同等の競争力を備えねばならない。
Paradipのエチレン・クラッカーの潜在顧客には、Mitsubishi Chemical Corporation PTA Indiaが含まれる。西ベンガル州Haldiaに設けられた同社のPTA(purified terephthalic acid)プラントは目下のところ原料を輸入している。IOCは決してインド国内市場だけに目を向けている訳ではなく、輸出に照準を合わせている。
オリッサ州政府はParadip石油精製事業に対する優遇措置を2000年2月に取り消したが、IOCは同州政府とほぼ同様の条件で最近覚書を交換した。Paradip製油所は当初2004-05年に稼働するはずだったが、現在国内の石油精製キャパシティーは1億1600万トンと、1億500万トンの国内需要を上回っており、このためIOCは完成期日を第11次五カ年計画(2007-12)期間に繰り延べたと言う。
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