1995-09-27 ArtNo.3311
◆<星>アナリスト、クリエイティブ株の前途に依然懸念
【シンガポール】クリエイティブ・テクノロジー株はここ7週間に過去最低の9ドルから過去6カ月来最高の19Sドルに回復したが、アナリストは依然として今後の株価の推移に懸念を表明している。
クリエイティブの96年度予想収益を基準とした株価収益率(PER)は7倍から15倍に回復、業界平均の13~15倍にほぼ等しく、適正水準と言える。こうした株価の回復には同社が最近発表したPC(パソコン)に3次元グラフィック機能を発揮させる3Dブラスターへの投資家の期待が反映されている。同製品は今年11月に市販される予定で、クリエイティブは既にソフトウェアー・デベロッパー200社の支援を確保し、新製品の発売以前に少なくとも40のソフトウェアー・タイトルを準備できるとしている。これは明らかに同社業績に明るい見通しを添えるものだが、アナリストは依然として下記の懸念材料を指摘している。
第1点は新製品はクリエイティブの第1四半期(95年10-12月)の業績には貢献せず、一部のアナリストは業績悪化は第2四半期まで持続する可能性が有ると見ている。市場が業績改善を期待する中でかえって損失が拡大するならその株価に与える影響は計り知れない。
第2点は新製品は486プロセッサーをベースにしたもので、現在主流のペンティアムPCには対応していない。ペンティアムPC対応の製品は来年初まで発売されぬため、華々しい業績改善にはつながらない可能性が有る。
第3に他社も同様の製品の発表を準備していること。これら競争者には米国拠点のダイアモンド・マルチメディアが含まれると言う。(BT:9/26)
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