2004-03-26 ArtNo.33067
◆鉄鋼メーカー、中国における価格軟化で輸出先を転換
【コルカタ】中国における鉄鋼価格が国際水準を下回る中で、インドの鉄鋼メーカーは、より高収益が望める市場に輸出先の転換を図っている。
ビジネス・スタンダードが3月24日報じたところによると、熱間圧延コイル(HRC)の中国におけるトン当たり価格は目下540米ドルと、韓国や欧州市場における600米ドルを下回る。業界筋によると、価格軟化の主因は鋼材に対する飢餓的需要が消失し、中国トレーダーの購買欲が著しく減退したため。メーカーらは、中国バイヤーの購買意欲減退は、大量の在庫を抱え込んだためと見ている。
昨年の半ばまで、中国は世界的な鋼材輸出市場と見なされ、同国の需要が国際鉄鋼価格を左右していた。しかし中国の金融機関が鉄鋼部門に対する融資を制限したことから、中国鉄鋼会社は、原材料を購入することも困難になっている。こうした中でインド鉄鋼業界は、西アジアや欧州市場に輸出先を転換している。また中国政府がインド鉄鋼メーカーの対中輸出に警告を発したことも、メーカーが輸出先を中国以外の市場に転換した一因になっているようだ。昨年までは、インドの350万トンの輸出鋼材の15-20%が中国に向けられていた。
欧州市場における価格は上昇しているものの、スクラップ価格は過去6日間にトン当たり50米ドル下降した。このことは鉄鋼価格に波及効果を及ぼすものと見られる。オート・グレード・スクラップ価格は310米ドルから265米ドルにダウン、メルティング・スクラップは一層大幅な下降を見た。もしこうした値下がり基調が続くなら、インドを含む世界の鉄鋼価格は今後下降する見通しと言う。
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