2004-03-17 ArtNo.33020
◆民族奉仕団、インド人民党に対する控えめな支援呼びかけ
【ジャイプル】インドにおけるヒンドゥー主義の総本山Rashtriya Swayamsevak Sangh(RSS:民族奉仕団)は12日、Atal Bihari Vajpayee政権の経済面における成果を認め、間接的な表現ながらそのメンバーに総選挙において与党インド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)を支持するよう呼びかけた。
インディアン・エクスプレスが3月13日伝えたところによると、サング・パリワール(Sangh Parivar:家族組織)と称されるRSS傘下の諸団体が一堂に会した3日間にわたる“インド国政会議(ABPS:Akhil Bharatiya Pratinidhi Sabha)”の初日、RSSのMohanrao Bhagwat副総裁は、2003-04年のRSS年次報告を行うとともに、控えめながら今回の総選挙においてBJPを支持するようRSSメンバーに呼びかけた。
サング・パリワールにはBJPの他、スワデシ覚醒組織(SJM:Swadedshi Jagran Manch)、インド労働団体(BMS:Bharatiya Majdoor Sangh)、世界ヒンドゥー協会(VHP:Vishwa Hindu Parisahd)等が含まれる。
Bhagwat副総裁は、BJP支持を求める直接的表現は何ら用いなかったが、牛の屠殺禁止法制化に反対する政党や、ラジャスタン州/マドヤプラデシュ州/チャッティースガル州において少数の利益に迎合しヒンドゥー叩きをするような政党を打破するよう訴えた。
RSSスポークスマンを務めるRam Madhav氏は記者会見の席上、「RSSはそのメンバーに特定政党や候補者に投票するよう求める考えはなく、立派なもののために働くよう望むだけである」と語った。
RSSの年次報告書も『選挙運動期間、政党はそれ自身の立場を明確にし、敵対者を非難するために全力を傾注するだろうが、全国の国民は大量の煙幕の中で真実を見極め、候補者のイデオロギー、能力、性格、実績に基づき向こう5年間の政権を委ねる統治者を選ばねばならない。目覚めた人々、我々の奉仕者は、当然それ自身の責任と権限をわきまえ適切に行動するだろう』と極めて曖昧な表現を用いている。
同報告書はバジパイ政権の経済的成果を賞賛する一方、こうした成果に便乗する多くのもの存在に警鐘、最終的利益を国民が享受できるよう確保せねばならないと強調している。
報告書はまた『経済開発の指標は統計上の数値に見出すことはできず、国内の最下層に置かれた者の生活の中に見出すことができる』、『ヒンドゥトゥバに裏打ちされたビジョンのみが、真の発展の指標とすることができる』、『スワデシ(経済民族主義)精神により裏打ちされた経済政策、そして目覚めた、適応能力のある、活気に満ちた社会のみがこうした努力を成就させることができる。それは、国際的な経済競争に耐える国民のコンピテンシーを培い、Cancunスタイルの気迫と決意を示すファクターでもある』と難解な教条的論旨を展開している。この日の会議にはSJM会議主宰者S Gurumurthy氏も出席した。
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