【ドゥバイ】タミールナド州Chennai拠点のSouthern Petrochemicals Industries Corporation Ltd (SPIC)が完全出資するSpic Fertilisers & Chemicals Co(SFCC)が2億米ドルを投じてドゥバイのJebel Ali Free Zone(JAFZ)に建設中の尿素/アンモニア・プラントはガスの供給が確保されさえすれば、1年内に操業を開始できる。
エコノミック・タイムズが3月10日報じたところによると、インド商工会議所連盟(FICCI:Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry)代表団を率いて当地を訪れたSPICのA C Muthiah会長は同紙に以上の見通しを語った。インディアン・ビジネス・プロフェッショナル理事会(IBPC:Indian Business and Professional Council)が当地で主催したFICCとアラブ首長国連邦商業会議所代表の会議の会場でMuthiah氏が語ったところによると、プロジェクトは60%以上完成しており、目下ガス供給の確保を目指し奔走している。プロジェクトは当初ナフサを用いるはずだったが、ナフサの国際価格が高騰したため、ガスに転換した。ガス供給問題を巡るドゥバイ政府との交渉は依然続けられている。
FICCIはドゥバイ&シャルジャ商工会議所(Sharjah chambers of commerce and industry)と双方向の貿易・ビジネスを拡大することを目指す2件の覚書を交換した。目下のところインドとアラブ首長国連邦の往復貿易は30億米ドルの水準にある。
急成長するドゥバイは目下、ガスの供給不足に直面しているが、カタールからパイプラインでガスを供給するDolphinプロジェクトが完成すれば、供給不足は解消するものと見られる。
SPICは数年前にスリランカで購入した中古プラントをJAFZに移送した。同プラントは1日4000万立米のガスを必要とする。SPICは当初ドゥバイ拠点のETA社と合弁で1996年に同プロジェクトに着手、これまでに3500万米ドルを投資した。同プラントは年間40万トンの尿素と22万6000トンのアンモニアを製造できる。
年商10億のSpic India Groupは、この他ヨルダンにおけるIndoJordan Chemicalsプロジェクトに56%出資している。同プロジェクトには、SPIC以外にJordan Phosphate Manufacturing Companyが34%、Arab Investment Companyが10%出資、生産された年間20万メートル・トンの燐酸は全量インドに輸出されている。5年前に稼働した同事業は操業の第1日から黒字経営を続けている。
SPICは依然として肥料ビジネスを中核としているが、バイオテクノロジー、製薬、エンジニアリング・サービス方面に事業の多角化を図っている。
SPICがドゥバイに設けた合弁会社Gulf SPIC Contracting Companyは、石油/化学/石油化学領域の企業に建設/試運転/操業/保守/立ち上げサービスを提供している。
クウェート拠点のGulf Spicは過去5年間にわたりKuwait National Petroleum Corporation (KNPC)のMina Abdullah製油所の保守を引き受けていると言う。