【コーチ】ケララ州Kochi付近のウィリングドン島(Willingdon Island)に設けたアンモニア・タンクの使用を巡る10年に及ぶ紛糾の末、最高裁から有利な判決を獲得したFertilisers and Chemicals Travancore (FACT)は、今やより低コストなアンモニアの運送方法を模索している。
インディアン・エクスプレスが3月12日報じたところによると、1994年にLaw Society of Indiaと言う団体が安全上の理由から輸入アンモニア用貯蔵タンクの取り壊しを申請した際、FACTは最高裁に上訴する一方、638クロー(US$1.41億)を投じて年産900トンのアンモニア製造施設の建設に着手した。新アンモニア工場は1998年に操業にこぎ着けたものの、年利15%で取り入れた400クロー(US$8843万)の政府からの借り入れの元利債務が600クロー(US$1.33億)に膨張、FACTは潜在的シック・カンパニーの宣告を受けた。
FACT筋によると、国際アンモニア価格が高水準なため、アンモニアを輸入するのは採算に合わないが、輸入しないなら貯蔵タンクは不要になる。逆にアンモニアを輸入する方針を決めるなら、新工場は不要になり、解体して売却する他ない。その実、FACTはある種の問題からアンモニア工場の操業を停止したが、中央政府はその売却を認めず、また今もって操業を再開していない。
一方、FACTはマハラシュトラ州Mumbai拠点のArdeshir B Cursetjee & Sons Ltd(ABC)と、ケララ州Udyogamandalのアンモニア工場からコーチ支社までトン当たり1850ルピーでアンモニアを艀輸送する契約を結んだが、新空港・港湾道路が開通した今となっては液化アンモニア・ガス(LAG)を陸上輸送した方がトン当たり150ルピー安上がである。このため同社は現在部分的に道路輸送を利用している。年間14万5000トンのアンモニアを輸送する必要があり、譬え契約量を満たさぬことでトン当たり1700ルピーのペナルティーをABCに支払っても、依然として陸送した方が安上がりと言う。