【ニューデリー】インドの天然ガス需要は2010年には現在の70mmscmd(metric million standard cubic meters per day)から200mmscmdに拡大する見通しだ。
インディアン・エクスプレスが3月6日、信用格付け会社Credit Rating Information Services of India Ltd(CRISIL)のレポートを引用し報じたところによると、Reliance Industries Ltd(RIL)がベンガル湾で発見したものを含む新ガス田からの供給は、急増する需要を満たすには不十分である。予想される需要の46%は電力部門、28%は肥料部門、残りは運輸/家庭等、その他の部門で占められる。
CRISILのSrikant Kulkarni顧問(インフラ部門担当)によると、都市ガスや産業/運輸部門における需要が、天然ガス市場を急速に拡大させている。家庭における天然ガス需要は価格次第で変動するが、2010年における需要は1mbtu当たり3米ドルをベースに予想したもの。既存鉱区における2009-10年の天然ガス生産量は現在の70mmscmdから58mmscmdに下降するものの、新鉱区における生産量40mmscmdが追加される。また輸入LNGが別に58mmscmdの需要に応じる。しかし依然として44mmscmdの供給不足が見込まれる。
RILとOil and Natural Gas Corporation(ONGC)がKrishna-Godavari Basinで発見した新ガス田や、西海岸に設けられたLNGターミナル、さらには全国ガス・パイプライン・プロジェクトが、国内のガス利用者に複数の選択肢を提供することになる。
Gas Authority of India Ltd(GAIL)が発表した全国ガス幹線網計画は、新たに開拓されたガス資源へのアクセスを可能にし、市場の地理的多様化を促す。
GAILがONGC及びOil India Ltd(OIL)から購入し、国内市場に供給するガスの価格は中期的に政府により管理される見通しだが、新ガス田/LNG/輸入ガスをソースとするガスの価格は市場の競争原理に基づいて決定される。これにより市場感覚が養われ、統制価格制から自由変動制への移行が徐々に進む見通しだ。
石油規制法案やガス・パイプライン政策草案は、将来の管理制度に方向性を与えるが、パイプライン政策下の天然ガス/LNG供給制度には一層の明瞭さが求められる。
CRISILが昨年買収したガス・コンサルタント会社EconomattersのJames Ball社長は、「ガス価格は生産コストをカバーし、新サプライヤーを激励し、中流部門への投資意欲を維持し、新顧客を魅了するものでなければならない」と指摘している。