【ニューデリー】インド鉄鋼連盟(ISA:Indian Steel Alliance)が熱間圧延(HR)コイル価格をトン当たり1500-2000ルピー値下げすると発表した翌日(3/4)、国営Steel Authority of India Ltd(SAIL)は、HRコイルを即日トン当たり2000ルピー値上げした。
ビジネス・スタンダードが3月5日、鉄鋼省筋の言を引用し伝えたところによると、実際のところSAILの値上げ後の価格はトン当たり2万5000ルピーと、他のISAメンバー企業の新ユニフォーム価格に等しい。
ISAメンバーは2月1日にHRコイル価格をトン当たり2万3000ルピーに引き上げたが、Essar Steel Ltd(ESL)は同月16日にトン当たり2万7000ルピーに更に値上げ、SAILを除く他のISAメンバーも3月1日以降に同様の値上げを行った。しかしSAILだけは2月1日に発表したトン当たり2万3000ルピーの価格を維持した。ISAは3月3日、トン当たり2万5000ルピーのレベルに値下げする方針を発表したが、この結果、SAILは同ユニフォーム価格に足並みを揃えるため、選択の余地なく、2000ルピー値上げする方針を決めたと言う。
しかしインド工業連盟(FII:Federation of Industries of India)に代表される鉄鋼下流部門ユーザーは、「2月のHRコイルのトン当たり参考価格(reference price)は2万3000ルピーであり、2万7000ルピーではなかった。したがって実際には2万7000ルピーから2万5000ルピーに値下げされたのではなく、2万3000ルピーから2万5000ルピーに値上げされたに他ならない」と不満を表明している。