2004-03-03 ArtNo.32917
◆BJP、ヒンドゥーの支持確保目指しビジョン2004立案
【ニューデリー】インド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)は連立与党全国民主連盟(NDA:National Democratic Alliance)パートナーの反発を買うことなく、中核支持基盤ヒンドゥー有権者の支持をつなぎ止めるため、『ビジョン2004』を近く発表する。
ビジネス・スタンダードが3月1日報じたところによると、ビジョン2004は、イデオロギーと現実的政治運営の狭間に立たされたBJP指導部の折衷策と見られている。BJP指導者は、サンガ・パリバール(Sangh Parivar)のリーダーから、ヒンドゥトゥバ(Hindutva:ヒンドゥー性)の中核思想に関わる問題に関して立場を明確にするよう求められ、守勢に立たされている。
ウッタルプラデシュ州Ayodhyaにおけるヒンドゥー寺院Ram Mandirの再建や統一民法(Uniform Civil Code:人種宗教の相違を排除した民法)の制定等、民族奉仕団(RSS:Rashtriya Swayamsevak Sangh)のメンバーやその支持者らが提起した中核課題は、NDAの選挙綱領には何ら盛り込まれていない。
このためArun Jaitley法相を初めとするBJPの党内グループは『ビジョン2004』を準備しているが、その内容は、RSSやその下部組織のリーダーらを満足させるには至っていないようだ。
BJP筋によると、『ビジョン2004』は同党のイデオロギー上の公約を再確認するものだが、一般向きに希薄化されている。
Jaitley法相は、「ビジョン2004は近く完成し、草案はBJPリーダーに回覧され、意見が求められる」と語った。RSS筋によると、国民的コンセンサスの形成を通じRam寺院を再建することをヒンドゥー有権者に約束する内容になる
RSSのKS Sudershan団長はBJP指導部に対し、BJPの政策綱領を前面に掲げ選挙キャンペーンを展開するよう求めたが、BJPのM Venkaiah Naidu党首は、「NDAの選挙綱領と異なる綱領を掲げることは不可能」とする一方、ビジョン2004にいわゆる中核課題を完全な形で取り上げることを改めて確認した。
こうしたBJP指導部の姿勢は、LK Advani副首相を初めとするBJP幹部により、各地で催されるサンガ・パリバールの会合で、重ねて確認された。
消息筋によると、イデオロギー問題を敬遠するBJP指導部の姿勢はRSS指導部を苛立たせており、与党の選挙キャンペーンを全面的に支持することを躊躇させている。
RSSの某幹部は「BJP支持を表明しても、如何なる利益も望めない。BJPはRSSの支持を得ることにより最大限の利益を享受しているが、RSSのファミリーは、チャッティースガル州やマドヤプラデシュ州の少数部族地区で一層孤立させられている」と不満を述べた。
BJP筋は、「ビジョン2004はヒンドゥー有権者の中心課題に回答し、“インディア・シャイニング”キャンペーンの目的を十二分に果たしている」と胸を張るが、パリバール・リーダーは「RSSにとってはルーム・クリーニングほどの価値もない」と指摘した。
|