【ムンバイ】鉄鋼メーカーは先週、熱間圧延(HR)コイルのトン当たり価格を2万7000ルピー前後に、最大4000ルピー引き上げた。これは一回の値上げ幅としてはここ数年来最高レベル。
ビジネス・スタンダードが2月21日報じたところによると、業界筋は大幅値上げの理由として、鉄鉱石、コークス、スクラップ等の原料コストが急騰したことを指摘している。この結果HRコイルの国際価格も過去最高の560-570米ドルに上昇、2003年6-7月当時のトン当たり300米ドルからほとんど2倍近くになっている。
国内における値上げ幅は、各社まちまちで、トン当たり2000-4000ルピー。Essar Steelの値上げ幅は、最大の4000ルピー。これに対してTata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)は、上げ幅を2000ルピー(工場出荷価格2万5000ルピー)にとどめた。アナリストによると、Tiscoの値上げ幅が他社を下回るのは、自前の鉄鉱山を保持しているためと見られる。
米国政府が高額の輸出税を課したことから米国からのスクラップの供給が逼迫、また中国は国内鉄鋼産業を保護するためコークスの輸出を規制している。このため国際市場におけるこれら2品目の供給不足が深刻化しており、鉄鋼価格が今後一層上昇する可能性もある。鉄鉱石のトン当たり国際価格は過去6ヶ月間に35米ドルから100米ドル前後に、冶金用コークスは同80米ドルから430米ドルに、スクラップは同120米ドルから330米ドルに、それぞれ上昇した。
業界筋はHRコイルの値上がりは、必然的に冷間圧延(CR)コイルの値上がりを生じさせると見ている。スタンド・アローンのCRコイル・メーカーは鉄鋼省に、HRコイルのこれ以上の値上げを認めぬよう陳情していると言う。