2004-02-20 ArtNo.32853
◆Tata Steel、ウクライナでUS$10億企業買収準備
【コルカタ】Tata Iron and Steel Company Ltd(Tisco)は、世界最大の鉄鋼埋蔵量を有し、総合的な鉄鉱石処理施設と鉄鋼製造施設を備えたウクライナの国営企業Kryvorozhstal Kryvy Rihの民営化計画に注目している。
エコノミック・タイムズが2月17日伝えたところによると、ウクライナの4大鉄鉱産地の1つに数えられるKryvy Rih地域には、同国の270億トンの高品質鉄鉱石資源の90%が埋蔵されており、Kryvorozhstalは年産約500万トンの鉄鋼生産能力も備えている。
消息筋によると、Tiscoは初歩的調査を終え、ウクライナ政府にKryvorozhstal民営化計画に参画する関心を表明した。TiscoのB Muthuraman重役(MD)は最近、同社がウクライナ、中国、タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム等で様々な買収の機会を探っていることを明らかにした。
しかしTisco筋はKryvorozhstal民営化に対する同社の関心に関して、「ウクライナは様々なオプションの1つに過ぎず、具体的買収対象はまだ絞り込んでいない」と語った。またウクライナにおける買収計画に注入され得る資金に関する質問に、同オフィシャルは「企業買収のためのTiscoの軍資金は10億」と述べる一方、「如何なる買収にしろ投資額は、当該資産の質に依存する」と付言した。
Muthuraman氏によれば、2010年までに鉄鋼年産能力を1500万トンに拡大することを目指すTiscoにとって、ジャールカンド州Noamundi及びJodaの鉄鉱埋蔵量は十分ではない。Tiscoは既にジャールカンド鉱物開発公社(Jharkhand Mineral Development Corporation)と大規模な新鉄鉱山の開発に関して協議している。またオリッサ州における鉱業リース権を最近取り消されたTiscoは、オリッサ州政府とも再交渉を進めている。
現在450万トンの年産能力を有するTiscoは、1900万トンの年産能力を有する上海宝鋼集団公司(Baosteel)との提携交渉も進めている。Tiscoトップ筋によると両社の提携方式としては、余剰鉄鉱石と機械設備のスワップや少数権益の取得等が考えられる。TataグループのRatan Tata会長は先週北京を訪れ、中国における投資機会を探ったが、これには鉄鋼ビジネスも含まれる。
またタイではTiscoは国営Thai Union Steel (Tusco)の権益買収交渉を再開したと言う。
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