【アーマダバード】ポリ塩化ビニール(PVC)の供給過剰に関わらず、インドは大規模な石油化学コンプレックスを建設する時機を迎えている。
ビジネス・スタンダードが2月17日報じたところによると、信用格付け会社Investment Information and Credit Rating Agency (ICRA)は、最新レポートの中で、2005-06年までの需給シナリオをベースに以上のように指摘している。それによると、エタンとプロパンを含む天然ガスの供給が限られているため、石油化学会社はナフサに依存する他ない。最近のRelianceによる新ガス田の発見に関わらず、ガス・ベースの石油化学コンプレックスが設けられる可能性は薄い。これは同ガス田から採取されたガスにはエタンとプロパンが多く含まれていないため。現状で大型石化コンプレックスを設ける近道は、低コストなエチレン派生品を保持している中東のプレーヤーと手を組むことである。
現在インドにおけるエチレン生産能力の56%がナフサをベースにしている。世界的には同比率は51.5%になっている。しかし、インドにおける天然ガス・ベースのエチレン生産能力のシェアも44%と、世界平均の36%を上回る。現在、天然ガス・ベースのプレーヤーは、ガス価格が燃料油の55%の水準にあることから恩恵を受けている。
低密度ポリエチレン(LDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)の設備過剰状況は2003-04年末までに解消するものと見られる。ポリプロピレン(PP)の需要の伸びは、プロピレンにより代替されることから低水準にとどまるものと見られる。これに対してPVC需要は中期的に年率10%の成長が見込める。現在準備されている追加設備能力はこうした需要の伸びを満たすには不十分と言う。