2004-01-30 ArtNo.32734
◆ソニー・テレビジョン、BPO契約発注準備
【ニューデリー】米国政府が公共部門のオフショア契約を規制する法案の成立を図り、情報技術(IT)関連ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の前途に陰影が生じる中で、日本方面から娯楽/アニメ/ポスト・プロダクション/特殊効果領域の新たなBPOビジネスがもたらされる可能性が生じている。
エコノミック・タイムズが1月26日伝えたところによると、情報放送省はSony Entertainment Television (SET), Indiaが、SET Satellite Singaporeとの株式スワップを通じ外資出資率を現在の61%から90%に引き上げることを認めた。消息筋によると、キャッシュ・フローを伴わぬ株式のスワップにより、SETインディアが英国、米国、アフリカ、その他の地域に展開するSET Satellite Singaporeの子会社を傘下に収め、これらの業務を統括できる。これに伴い多くの業務がマハラシュトラ州Mumbaiの同社オフィスにもたらされる見通しだ。何故ならコンテンツ関連の業務は大きなコスト負担を生じさせており、インドと他の地域のコストの差は1:7にのぼる。
とは言えBPOの認可手続きは、外国投資促進局(FIPB)の下でペンディングされている。ソニーが目下64.5%出資するSETインディアが、SET Satellite Singaporeの全権益を1:16の株式スワップを通じて買収すると言う計画の認可を、FIPBは先週見送った。
SETインディアを国際娯楽メディア会社とし、海外在住インド人市場を開拓すると言うソニーの計画は、FIPBにより阻まれた感が有るが、同取引を通じ、Sony Pictures Entertainmnet(SPE)Singaporeは直接SETインディアの37.9%のシェアを取得する他、完全出資子会社のSPE Mauritius HoldingsとSPE Mauritius Investmentsを通じて間接的にSETインディアの一層の権益を掌握する。この他、モーリシャス系海外商業組織Grandway GlobalもSETインディアの19.83%のシェアを分与される。
FIPBは、インド系在外法人(OCB)の取引への関与が問題にならないか、中央銀行に判断を求めた。何故なら中央銀行は昨年、OCBの投資家ステータスを取り消しており、またGrandway Globalは、中央銀行が作成したOCBリストに含まれておらず、完全な出資構成も報告していないと言う。
しかしFIPBの認可も、8-10ヶ月で得られるものと見られる。情報放送省は、何ら反対せぬ意向を表明しており、その理由として、第1に娯楽事業は既に外資の100%出資が認められていることを掲げ、第2に同省は、「他の政策と矛盾しない限りインドを国際娯楽ハブにすることに関心がある」としている。
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