2003-12-24 ArtNo.32571
◆ウォールマート、中国製に代えインド製CTVに照準?
【ニューデリー】インドの地元カラー・テレビジョン(CTV)メーカー少なくとも2社が米国の小売メジャー、Wal-Martに対するCTVの納入交渉を進めている。
エコノミック・タイムズが12月21日伝えたところによると、これら2社とは、OnidaブランドのCTVで知られるMirc Electronicsと、インド最大のCTVメーカー、Videoconとされるが、交渉はなお初歩的段階に有るようだ。
ウォールマートはこれ以前から各種製品のソーシング拠点としてインドに注目して来たが、米国政府が最近中国製CTVに反ダンピング税を課したことが、こうした動きに拍車をかけ、また伝統的な繊維製品や皮革製品から電子製品に関心を拡大させる引き金になったようだ。
何れにしても仮に成立すれば、インドCTVメーカーにとっては、世界最大のCTV市場進出に道が開け、また中国同業者に対する初の主要な得点になる。北米CTV市場は3400万台と見積もられ、これに対してインド市場は白黒TVを合わせても1000万台に過ぎない。
MircのG Sundar重役(COO)は、「まだほんの初歩的話し合いがなされただけで、何もコメントできない」としており、VideoconグループのVN Dhoot会長兼MDも「まだ交渉は始まったばかりで、譬え何かまとまったにしても1年先のことだろう。米国には既にCTVを輸出しているが、ウォールマートとの契約は膨大な機会をもたらす」とコメントした。
米国は、最近中国製CTVに27.9-78.5%の反ダンピング税を課したが、それはウォールマートがインドにソーシング・チームを派遣した時期と一致していた。
もし話し合いがまとまれば、インドCTVメーカーのトップラインは大幅に改善するが、ウォールマートのビジネス・モデルからすれば、マージンは決して高くなく、ボトムラインの改善にどれほど貢献するかは定かでない。
地元メーカーにとってのハードルは、ウォールマートの大口注文に応じる設備能力を確保すること。Mircの年間CTV製造能力は180万台、これに対してVideoconは1200万台、この点からすれば後者が有利だが、Mircは港湾に隣接した工場を有する。とは言え、インドのCTVメーカーは、メキシコ、タイ、インドネシア等の同業者とも競争せねばならない見通しと言う。
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