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2003-12-19 ArtNo.32555
◆Wockhardt、地元製薬会社初の独占販売権獲得
【ニューデリー】地元製薬会社Wockhardt Ltd(WL)は16日、インド特許商標監督総監(CGPTI:Controller General of Patents and Trademarks of India)から抗生物質“Nadoxin”の独占販売権(EMR:exclusive marketing right)を認められた。
エコノミック・タイムズが2月16日伝えたところによると、Nadoxinは大塚製薬が1993年に開発したナジフロキサシン(Nadifloxacin)の新製法バージョンで、WLは1年前に同薬品を発売、昨年製法特許を取得した。目下、WLはインド国内及び世界的にも唯一のNadoxinメーカーで、市場調査会社AC Nielsen ORG-Margの2003年10月の報告によれば、Nadoxinの年間売上げは4クロー(US$88万)と見積もられる。
独占販売権は、5年間乃至当該独占販売権が無効になるまでインド国内における排他的販売権を認めるもので、これ以前には、スイス企業Novartisが抗癌剤Glivec (メシル酸イマチニブ)の独占販売権を取得しているが、地元製薬会社らは、Novartisに対する同独占販売権の付与は違法として、法的措置を準備している。
WLに対する独占販売権の付与も、Novartisの場合同様、その合法性に疑問が呈されている。しかしNovartisのGlivecが他社の6種類の製品との競争に直面していたのに対して、WLのNadoxinには競争者がないため、問題は技術的問題に限られそうだ。
消息筋によれば、Nadoxinはインド特許法(Patent Act of India)に定められた独占販売権付与の基準を満たしていない。
先ず第1にNadoxinは、独占販売権付与規則に定められた新化学物質(NCE:new chemical entity)ではなく、ナジフロキサシンの新製法バージョンに過ぎない。
第2にWLは臨床的に確認されたNadoxinの別の効能として、強力な耐性菌に対する潜在的治療効果を掲げているが、独占販売権取得のために製品特許を取得していない新たな用途を掲げるのは、妥当とは言えない。
ちなみにNovartisへの独占販売権付与には、Natco/Sun/Intas/Camlin/Ranbaxy/Cipla等が不満を表明、Natcoは実際に訴訟を準備している。それによるとメシル酸イマチニブは1995年以前に開発されたもので、その特許権は韓国等、複数の国で1993年3月もしくはそれ以前に申請されている。この点からも独占販売権付与基準を満たしていない。またメシル酸イマチニブはオリジナル化学物質の派生品(beta crystalline)であり、新化学物質そのものではない。
観測筋は、「インド特許商標監督総監は、多国籍企業Novartisに独占販売権を付与したことに対する地元業界の批判を交わす戦略的見地から、WLに独占販売権を付与したが、再度派生品を選択、同じ誤りを繰り返した」と評している。
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