1995-09-22 ArtNo.3247
◆<星>上級相、APEC大阪サミットに悲観
【シンガポール】リー・クアンユー上級相は20日催された第4回欧州・東亞経済サミットの開幕演説後、参会者の質問に応じ、アジア太平洋経済閣僚会議(APEC)大阪サミットにはさしたる成果は期待できないとの悲観的見通しを語った。
それによるとシアトル・サミットは自由貿易実現に向けての第1歩、ボゴル会議は第2歩と位置づけることができるが、大阪会議において第3歩と形容できる具体的成果が得られるかには、確信がもてない。これは、米国、日本、韓国が総選挙を間近に控えている他、極めてデリケートな農業問題を課題とせねばならないためで、今後の進捗はこれらの国の総選挙が終了するまで待たねばならないものと見られる。とは言えアジア太平洋地域の全ての国が自由貿易実現を目指す列車に乗車した点で、ボゴル会議の成果は大きいと言う。
リー氏はこの日の開幕スピーチにおいて欧州/東アジアの関係強化が急成長する東アジア市場開拓の上から欧州諸国にとって極めて重要なだけでなく、アジア諸国にとっても中日米3極関係、取り分け中米関係悪化の衝撃を和らげる上で重要と指摘した。それによると文化/価値観を異にする米国と中国の関係は今後も摩擦を生じやすく、両大国衝突の影響は計り知れない。アジア諸国はこのため長期的視野に立って米国、日本とともに欧州をその経済成長のパートナーとすべきだと言う。(ST,BT,LZ:9/21)
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