2003-11-24 ArtNo.32377
◆ステンレス・スチール業界、低ニッケル含有製品にシフト
【ムンバイ】ステンレス・スチール・メーカーは、ニッケルの国際価格がトン当たり1万2000米ドル強に約50%上昇する中で、300グレードから200及び400グレードのステンレス・スチールに重心をシフトしつつある。
インディアン・エクスプレスが11月21日報じたところによると、Jindal Strips Ltd(JSL)やMukand Ltd(ML)は、生産性の向上と営業コスト削減に努めている折から価格変動に対する安全措置としても200/400グレード製品をより多く生産している。業界アナリストによると、300グレードのステンレス・スチールは8-16%のニッケルを含有しているが、200/400グレードのニッケル含有率は極めて低い。
業界観測筋によれば、ニッケルの高騰でステンレス・スチール業界のマージンは縮小し、ステンレス・スチールそのものの需要も短期的な落ち込みを見ている。
トレーダー筋によると、ニッケルの国際価格は向こう数週間も現在のハイレベルを維持する見通しで、インドの国内業界に影響を及ぼすものと見られる。
MLのNiraj Bajaj重役(MD)によると、200/400グレードへのシフトが明瞭になっており、取り分け家庭用品にはこうした傾向が顕著である。目下のところまだ輸出品にこうした傾向は見られないが、現在の高値が持続するなら輸出品市場にまで徐々に拡散するものと見られる。
JSLのArvind Parakh財務担当取締役は、ニッケル価格の高騰に対処するため200/400グレードに重心をシフトしたことを確認、「200/400グレード製品に対する需要は国内ばかりでなく、海外、取り分け東南アジア、中東、欧州方面でも今後高まる」と予想した。
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