【ジャムシェドプル】Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)はジャールカンド州Jamshedpurの鉄鋼製造施設に日産各500トンの海綿鉄製造炉2基を増設する。
インディアン・エクスプレスが11月19日、Tisco筋の言として伝えたところによると、海綿鉄ルートは従来の高炉ルートに比べより多くの溶融金属(molten metal)を生産でき、コークスの消費量も節約できる。良質な海綿鉄の鉄分含有率は92%と、鉄そのものに極めて近い。しかもコークスの消費量は従来のプロセスに比べほんの少量で済む。海綿鉄グレード鉱石はトン当たり1100ルピー、海綿鉄はトン当たり8000ルピーのため、海綿鉄ユニットを設けることはビジネス・センスを有する。加えてTiscoは独自の鉄鉱山を有するため、インプット・コストを大幅に節約できる。海綿鉄製造炉2基を増設することによりTiscoの年間海綿鉄製造能力は36万トンに拡大する。
Tiscoは現在月間2万5000トン、年間30万トンの海綿鉄を消費しており、傘下のTata Sponge Iron Ltdを含む様々なソースから購入している。
日産500トンの海綿鉄炉のコストは約40クロー(882万)だが、必要インフラのコストを加えると70クロー(US$1544万)前後になる。TiscoのT Mukherjee副MD補(スチール担当)によると、同社は目下工場内に海綿鉄炉2基を設けることを検討しているが、最終方針はまだ決めていない。海綿鉄炉/ミニ高炉/アーク炉をセットで保持するのが、現時点では、最も効率的な鉄鋼生産ルートと言える。また海綿鉄炉の廃熱を利用した発電は、コスト節減効果が大きい。
一方、年産120万トンのG高炉の補修工事は2004年下半期に実施する予定だ。高性能高炉が長期間運転を休止することになるため、同期間を利用して一連の改良工事も計画している。これにより関係プラントも運転を停止することになる。当該高炉とその他の施設の情況を配慮して工事スケジュールを組んでいる。同スケジュールは、同社の100万トン拡張計画にもフィットしていると言う。