2003-11-12 ArtNo.32298
◆地場企業半ダース余りが電力トレーディング市場開拓に着手
【ムンバイ】市場経済の潮流に乗り、電力トレーディングが数十億のビジネスとして浮上する中、Reliance Industries Ltd(RIL)/Tata Power Company(TPC)/Adani Exports Ltd(AEL)/Essar Power/Amalgamated Power/Koyla Power等、半ダースほどの企業が、中央電力監督委員会(CERC:Central Electricity Regulatory Commission)から関係ライセンスを取得、続々同市場への参入を図っている。
エコノミック・タイムズが11月10日報じたところによると、既に複数の企業が北東諸州で調達した電力を西部や南部の電力不足地域に供給し始めている。
最近マハラシュトラ州電力局(MSEB)と50MW(メガワット)相当の電力供給覚え書きを交換したグジャラート州Ahmedabad拠点のAELは、Power Trading Corporation (PTC)を創設したRK Madan元会長を電力トレーディング部門のチーフに指名、向こう1年半の間に同事業を1000クロー(US$2.21億)ビジネスに育てる計画だ。AELのGautam Adani会長によると、“2003年電力法(Electricity Act of 2003)”が発効し、電力市場が開放されるなら電力取引は大きなビジネス機会を提供することになる。AELはシッキム州から50MWの電力を購入し、MSEBに販売するが、1キロ・ワット時(KWH)の送電手数料(wheeling charges:送配電会社が電力会社から徴収するライン賃貸料)は0.05~0.06ルピーと言う。
近くReliance Energy Ltdに社名を変更する予定のBSES(Bombay Suburban Electricity Supply)Ltdは、完全出資する電力トレーディング子会社を設立する計画を発表した。
やはり別会社を設立し、電力トレーディング・ビジネス進出を図るTPCのFirdoze Vandrevala重役(MD)は、「電力トレーディングは全く異なるゲームのため、異なる思考様式を備えた別個のチームが手掛ける必要がある。CERCの認可が下り次第、新事業に着手する」と抱負を語った。
しかしEssar PowerのAK Srivastava重役(CEO)は若干慎重な姿勢を見せており、「インド国内には過剰な電力と十分な送電網が存在するため、電力トレーディング・ビジネスの潜在性は大きい。しかしその道のりは長く、CERCは送電手数料や追加料金(surcharges)等、様々な問題を解決せねばならない」と指摘した。
CERCはインド国内で電力トレーディングを手掛けるものから10万ルピー(US$2205)を徴収している。これまで各州の電力局は、中央政府が経営するNational Thermal Power Corporation (NTPC)、National Hydro Power Corporation (NHPC)、Nuclear Power Corporation (NPC)等から電力を購入して来たが、既存の2段階電力料方式は2004年3月31日に失効するため、CERCは目下新料金制の立案作業に拍車をかけていると言う。
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