2003-10-10 ArtNo.32115
◆Reliance、人工細胞・組織の研究で初歩的成果
【バンガロール】ヒトの破損した細胞や組織を、工場で大量生産した代替物により修復することは、依然としてサイエンス・フィクションの中だけのことだが、Reliance Life Sciences Pvt Ltd(RLS)は、研究室において胚性幹細胞(embryonic stem cell)からパーキンソン病による脳障害を治療できる神経細胞や、糖尿病治療に用いられるβ島細胞(beta islet cells)、衰弱した心臓の治療に利用可能な心臓組織、血液細胞を製造することに成功、この方面の初歩的成果を達成した。
エコノミック・タイムズが10月7日伝えたところによれば、先週カルナタカ州Bangaloreで催された『インドにおける体外受精(IVF:in vitro fertilization)25周年』記念式の席上、RLSのSatish Totey研究主任は以上の消息を語った。
同氏によると、パーキンソン病は脳内の神経伝達物質ドーパミンの欠乏により発症するが、RLSは研究室においてドーパミン産生細胞(dopamine-secreting cells)を製造することに成功した。この種の細胞を脳内に注入することによりパーキンソン病の症状の進行を抑制、あるいは回復させることが可能と見られる。
同様にインシュリン産生β島細胞(insulin secreting beta islet cells)を若年糖尿病患者(juvenile diabetic)に投与することにより血糖値を調整できる。また人工心臓組織を用いるなら医薬研究のコスト引き下げられ、永久細胞株(permanent cell lines)が開発されるなら、新薬の開発プロセスを15~20年短縮、数十億米ドルのコストを節約できる。
RLSは目下動物実験を進めるとともに、大手製薬会社1社と提携、別の複数の製薬会社と提携交渉を進めていると言う。
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