2003-10-10 ArtNo.32111
◆ブリティッシュ・ガス、CAS事業にUS$2千万投資
【ムンバイ】英国のガス会社British Gas(BG)は、衛星/ケーブルTV業界のために限定受信方式(CAS:conditional access system)インフラを提供する新事業に2年内に2000万米ドルを投資する。
インディアン・エクスプレスが10月7日報じたところによると、BGは同プロジェクトのために子会社Iqara HITS Ltdを既に設立しており、IqaraはHITS(Headend In The Sky:多くの番組をあらかじめケーブル伝送に適した形式で多重化し、衛星を使用して配信するブロードバンドに適った手法)プラットフォームを採用する(SEAnews:2003-08-11/2001-12-07号参照)。
Iqara TelecomのColin Orr Burns社長によると、これまで広帯域サービスを提供して来た同社がCAS市場に参入するのは論理的帰結と言え、HITSサービスは同社にユニークなビジネス機会を提供する見通しだ。インドにおけるプロジェクト(ハードウェア/ソフトウェア)に既に800万米ドルを投資したIqaraは、Motorola/Citibank/Accentureと提携し、同サービスを提供する。
Iqaraは、インドとシンガポールにおけるHITSプラットフォームの構築と運営を行い、アップリンクはシンガポールにおいてSingTelが担当、料金徴収や顧客管理の面ではPortalの協力を得る。
モトローラはシステム統合業者としてデジタル・セット・トップ・ボックス(STB)を供給、デジタル放送に対応した暗号化ソリューション“Media Crypt”をオファーする。
Accentureはアウトソーシングによりコール・センター・サービスを提供、またCASサービスのためのプログラム・マネージメントを引き受ける。マハラシュトラ州Mumbaiに75シートのコール・センターが設けられ、3年内に350シートに拡張される。
Citibankはエンド顧客向けに金融/支払い面の便宜を提供する。これにはセット・トップ・ボックス購入ローンが含まれる。
Iqara Choice商標で提供されるHITSサービスは、ニュートラルなプラットフォームとして機能、地元のケーブルTVオペレーターには、FTA(free-to-air:視聴者が追加料金を支払わずに受信できる受信許可料と広告放送を財源とするサービス)サービス面で完全な自由が認められる。即ちケーブル・オペレーターは、そのFTAパッケージのマージンをシェアする必要がない。ケーブル・オペレーターは通常、ケーブルTV統括業者(MSO:Multiple Systems Operators)と同マージンをシェアせねばならない。IqaraはMSOとは異なり、有料TVチャンネルの売り上げのみを収入源にする。IqaraはFTAパッケージを提供するケーブル・オペレーターのパートナーを務める。こうしたニュートラルなプラットフォームの提供が、同社の主要な強みになると言う。しかしIqaraにとって最大のハードルは放送業者との契約締結と見られる。
|