SEAnews 2003-09-15 ArtNo.31952

【バンガロール】Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)は1700クロー(US$3.71億)を投じてジャールカンド州Jamshedpur の鉄鋼製造施設の年産能力を2005年までに110万トン拡張する。
エコノミック・タイムズ、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレス、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥー、デカン・ヘラルドが10／11日報じたところによると、TiscoのB Muthuraman重役(MD)は10日記者会見し、以上の消息を語るとともに、南アフリカのIndustrial Development Corporationと74：26の合弁で250クロー(US$5452万)を投じ、同国にクロム鉄工場を建設すること、またタミールナド州におけるチタニウム・プロジェクトの事業化調査を進めていることを明らかにした。
建設業界を中心に鋼材需要が急増していることから、インド国内や海外において企業買収を行う可能性も検討しているが、こちらは現在までのところ具体的話はまだない。
中国のインド産鋼材に対する3％の輸入枠は、インドのような主要鉄鋼輸出国に対するものとしては小さすぎ、インド政府は中国政府に対して、輸入枠の拡大を求めるべきである。インドは中国が保持せぬ鉄鉱石資源を有するため、インド産鋼材は引き続き、中国産鋼材に対して競争力を保てる。何れにしてもTiscoの総売上に占める輸出の比率は15％に過ぎず、輸出マージンは国内販売のマージンを下回るため、輸出環境の変化は同社の業績にさしたる影響を及ぼさない。
今年第1四半期の純益は267クロー(US$5822万)をマーク、今年の残る期間も同水準の利益を維持できる見通しだ。2002－03年の純益は1045クロー(US$2.28億)を記録、経済付加価値(EVA:Economic value addition=税引き後の営業利益－資本費用)もプラスに転換した。2002－03年の年産量は前年を27万トン上回り、2003－04年の生産量はさらに30万トン拡大する見通しだ。
国際鉄鋼価格は今後安定するものと見られる。これは欧州と米国において過剰設備が整理され、新鉄鋼設備の建設ラッシュも予想されないため。Tisco自体は長期契約を結んでいるため、スポット市場における価格変動の影響はそれほど受けないと言う。