2003-08-27 ArtNo.31837
◆インド鉄鋼価格、日・欧・中・台・米下回る:WSD
【コルカタ】ワールド・スチール・ダイナミクス(WSD:World Steel Dynamics)は、その最新レポートの中で『インドの2003年7月の鉄鋼価格は日本/欧州連合(EU)/中国/台湾/米国における価格を下回り、世界の平均輸出価格にほぼ等しい』と報じた。
エコノミック・タイムズが8月23日伝えたところによると、WSDのHRB(hot rolled band)価格指数は、米国国内市場の価格(各種熱間圧延製品の価格)をベース(指数100)に、2003年7月の日本における鉄鋼価格指数を122(工場出荷FOB価格US$377)と算定しており、以下EU111(US$345)、台湾105(US$326)、中国104(US$324)、韓国99(US$308)、ブラジル97(US$300)、インド91(US$283)、ロシア90(US$280)の順。世界の平均輸出価格指数はインドと同じ91だった。
インドにおける7月のHRコイル価格は、8月の初にトン当たり約120ルピー値上げされるまで、トン当たり1万6000~1万6500ルピー前後を推移していた。8月には今会計年度に入って以来初めてHRBを含む鋼板製品の主要な値上げが行われた。昨年12月(US$315/指数103)から今年3月(指数103)までの間インドにおけるHRBの工場出荷価格は米国のそれを上回っており、2月にはピークの336米ドル(102)が記録された。ちなみにインドにおけるトン当たりHRB価格は1997年には350米ドルが記録されたが、指数は91だった。
インドの鉄鋼国内価格は、主要国のそれを下回っているが、インド鉄鋼産業はさらに30%の輸入関税により保護されている。しかし最近のルピーの対米ドル相場高騰で、国産鉄鋼製品の輸出競争力が減退するのではないかと懸念されている。
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