【ニューデリー】インド政府は、天然ガスが値上がりする中で、燐酸二アンモニウム(DAP:di-ammonium-phosphate)製造業者のために別途保護措置を設けることを検討している。
インディアン・エクスプレスが8月20日報じたところによると、DAPのための新価格メカニズムは、尿素製造業者のためのグループ・ベースのコンセション・スキーム(GCS:group-based concession scheme)とは異なる。
首相の肝いりで組織された関係省庁の代表から成る専門委員会(IMG:inter-ministerial group)の初会議が先週木曜(8/14)開かれ、DAP及び尿素の需給ギャップ問題が検討された。大蔵省、農業省、計画委員会(Planning Commission)、化学・肥料省の代表から成る委員会は、DAP製造業者に対するコンセションのカバー範囲をどの程度のものにすべきか等の点に関して意見を交換した。肥料局(fertiliser department)筋によると、最終方針は9月に発表されるものと見られる。しかし尿素の輸入に関する方針決定は見送られた。尿素及びDAP製造業者のための価格政策を一律のものにするか、別個にするかは今後じっくり協議される。しかし観測筋は、コンセンサスの形成は困難と予想する。何故なら量的補助の削減と産業の救済は両立しないからである。政府は同問題に対する関税委員会(tariff commission)の意見も求めた、
SS Dhindsa化学・肥料相によると、良好なモンスーンは肥料メーカーを元気づけた。需給ギャップを補填するためには約30万トンの尿素を輸入する必要がある。インド肥料協会(FAI:Fertiliser Association of India)の統計によれば、今年第1四半期(2003/4-6)の尿素生産は461万1000メートル・トンと、昨年同期の429万2000メートル・トンを僅かに上回った。しかし今年第1四半期のDAPの生産量は昨年同期の126万1000メートル・トンから78万メートル・トンに下降した。今年第1四半期のDAP消費量も昨年同期の92万1000メートル・トンから46万6000メートル・トンに下降した。
Dhindsa化学・肥料相によると、肥料局はIMGにDAP製造業者のための救済策を提言した。気象状況の改善から国内需要の回復が見込まれ、インドは国際市場からの調達を通じて国内のストックを確保する見通しと言う。