【バンガロール】インドにおける主要なBPO(business process outsourcing)オペレーター、General Electric (GE)が、サード・パーティー向けBPOサービスに乗り出す気配を見せており、20億米ドルと見積もられるインドBPO市場のゲームを一変させるのではないかと注目されている。
エコノミック・タイムズが8月11日報じたところによると、GEのBPOビジネスはGE Capital International Services (GECIS)が手がけている。GE Capitalのバック・オフィス・ビジネスを手がけるために1997年に設立されたGECISは、インド国内の複数の拠点(ハリヤナ州Gurgaonに4サイト/アンドラプラデシュ州Hyderabadに2サイト/カルナタカ州Bangaloreに1サイト)に1万1500人のスタッフを配し、米国、欧州、日本、オーストラリアのGEグループ企業や顧客30社ほどに450プロセス以上のサービスを提供している。こうしたサービスには、エンタープライズ・リソース・プラニング(ERP)やオラクル・データベース・コンサルティング、情報技術(IT)ヘルプ・デスク、ナレッジ・サービス、ソフトウェア・ソリューション、分析、データ・マイニング、データ・モデリング、リモート・ネットワーク・モニタリング、Eラーンニング、カスタマ・コンタクト・センターが含まれる。
BPO業界では、GEがサード・パーティー市場に進出すると言う噂で持ちきりだが、GEは最近、噂は根拠のないものと否定している。GE IndiaのScott Bayman社長兼CEOはコメントを控えた。
しかしGECISが、サード・パーティーにサービスを提供するなら、間接費の一部を回収、コストを削減できる。コスト問題にとどまらず、GECISは、金融/会計/保険/産業設備/データ・モデリング/データ・アナリスト等の専門知識を備えている。
某BPO会社のCEOは、「1顧客(GE)に1万人のスタッフが奉仕しているとするなら、他の顧客にサービスするために別に200人のスタッフを補充しようと考えるだろうか。非常時に有っては、誰が業務を担当するかが、主要な問題になる」と指摘した。
また税務も主要なハードルになりそうだ。キャプティブBPO企業の場合、コスト・プラス方式の価格設定が行われ、通常、コストに10~15%を上乗せして親会社に請求している。もしサード・パーティーに対して別の価格設定を採用するとすれば、税務当局の承認を得る必要がある。
また別のBPOスタートアップ企業の幹部(CEO)は、「市場は大きいため、GEがサード・パーティー市場に参入したとしても問題にならない。GEはIBMやAccentureと何ら変わらない。またサード・パティー市場に進出したGEは、“顧客=競争者”つまりGEのBPO顧客が他の領域におけるGEのライバルと言った問題に直面するだろう」と指摘した。