SEAnews 2003-08-13 ArtNo.31748

【ムンバイ】昨年、全世界で12企業を買収したＩＢＭは、新たな買収の標的を物色しており、今回はインド企業を買収する機会を探っているようだ。
インディアン・エクスプレスが8月7日、消息筋の言として伝えたところによると、Polaris Software LabとMphasiS-BFLが買収のターゲットと目され、ＩＢＭは最近両社に接触したとされる。しかし、PolarisとMphasiS-BFLのオフィシャルはそのような事実を否定、ＩＢＭは市場の噂にはコメントできないとしている。またＩＢＭから企業買収の折衝を委ねられたとされるSalomon Smith Barneyもコメントを控えている。
ＩＢＭ幹部は最近の証券アナリストとの会合の席上、グローバル・ソーシングに触れ、Ｅビジネス・オン・デマンド・イニシアチブのモデルとしてビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング(BTO)方式を採用する方針を明らかにした。ＢＴＯはIBM Business Consulting Services (IBM BCS)のクオリティー・ソリューションの一部を成している。IBM BCSは、ＩＢＭが昨年PwC Consultingを買収後設けられた新部門。
インディアン・エクスプレスはこれ以前(2003年6月26日)に、ＩＢＭは同社初のＢＴＯセンターをインドに設け、同部門のスタッフを現在の200～300人から今年末までに1000人に拡大する方針を決めたと報じていた。
先のＩＢＭ幹部によるとインドはＩＢＭにとって最大のグローバル・ディリバリー・センターで、ＢＴＯセンターは、災害復旧業務も引き受けることができる。同幹部は、またインドにおける研究開発(R&D)業務に言及、リモート・アプリケーション・マネージメントをインドで手がける可能性も示唆した。
Credit Suisse First Boston (CSFB)の最新レポートによれば、ＩＢＭのインドからの輸出は向こう数年、年率25％の成長を遂げる見通しで、ＩＢＭがそのグローバル・アクティビティーの一部をインドにシフトする方針を決めるなら、同成長率は一層加速するものと見られる。ＩＢＭのインド・スタッフは1年前の2500人から4000人に拡大したが、この内ローカル・ビジネスに携わっているのは500人に満たない。ＩＢＭがインドスタッフを急拡大したのは、主にオフショア・サービス業務の需要に応じるためと言う。