2003-08-04 ArtNo.31690
◆インド製薬業界、BPOビジネスの膨大な機会に興奮
【ニューデリー】インドのインフォテック企業はビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の機会が失われることに懸念を抱いているが、それとは対照的にインド製薬業界は2005年の新特許制度導入後のBPOビジネスに期待を高めている。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが7月31日伝えたところによると、インド産業連盟(CII:Confederation of Indian Industry)薬品医薬品委員会議長を務めるRanbaxy Laboratories Ltd(RLL)のD.S. Brar重役(CEO/MD)は同紙に以上の消息を語った。それによると、米国の製薬会社は研究/臨床試験/薬品・化学合成データの登録等の業務をイタリヤ、スペイン等の欧州企業やその他の海外企業からアウトソーシングしている。アイルランドは税制優遇措置を、シンガポールは製造拠点をそれぞれ提供し、この方面のビジネス獲得を図っている。インド製薬業界は、製造プロセスのアップグレード、近代的制度の整備、知的所有権保護の強化等を通じ、これらのビジネスの多くを手に入れることができる。したがってBPOビジネスは2005年以降、インド製薬産業の成長に重要な役割を果たすことになる。大部分の多国籍企業は既にインドに橋頭堡を設けており、後はインドのおける業務を拡大するだけである。
現在製薬業の年間輸出額は約26億米ドルだが2010年には80億米ドルに成長するものと見られる。
CII薬品医薬品委員会の今年度のアジェンダには、TRIPS協定(知的財産権の貿易関連の側面に関する協定:the Agreement on Trade Related Aspects of Intellectual Property Rights)に関わる地元製薬会社の役割に照準を合わせることの他、インドを世界の主要な臨床試験センターにすることが含まれる。インドがこの方面の世界市場を開拓するには、各種認証手続きの透明化と迅速な処理を確保し、動物実験に関する明解なガイドラインを設け、薬品の知的所有権を保護するための世界水準を備えた監督制度を設ける必要がある。
このため臨床試験に関するシンポジウムが9月24-25日に開かれる。インドはバスに乗り遅れることなく、10年内に世界の研究拠点としての地位を確立せねばならない。
CII薬品医薬品委員会はまた模倣薬品を製造・販売・流通させることが犯罪行為に等しいことを宣伝、同問題の解決に努めていると言う。
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