2003-08-01 ArtNo.31670
◆Nalco、製錬施設の老化液からガリウム生産計画
【コルカタ】National Aluminium Company (Nalco)はアルミニウム精練施設から排泄される老化液(spent liquor)を用いて3Nグレードのガリウムを採取、さらに6N乃至7Nグレードに精製する計画だ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが7月30日、Nalco筋の消息として報じたところによると、電子産業領域等でガリウムの需要は今後急増するものと予想される。Nalcoの“Bayer liquor”サンプル及びその他の必要原料に詳細な分析を加え、事業化調査レポートを作成する作業が続けられている。
電子産業領域におけるガリウムのアプリケーションが脚光を浴び、世界的に同金属に対する関心が急速に高まっている。現在、フランス、日本、米国、ドイツ、ハンガリー、独立国家共同体(CIS)がガリウムの主要な供給源と見なされているが、アルミニウム/亜鉛/ゲルマニウム鉱石には微量のガリウムが含まれており、インドのアルミ産業はガリウムの主要な供給源になる潜在性を備えている。
Nalco筋によると、ガリウム砒化物(gallium arsenide)は電子産業の未来を象徴しており、今日の電子産業の成長を支えるシリコンも、ガリウムに比べれば光彩を失う。ガリウム砒化物を用いたチップは、シリコンの6倍の速度で機能する。しかも電力消費が少なく、放熱による影響も少ない。加えて電子信号を光りに転換でき、太陽電池等に電気接点用の低融点合金として用いるなら高温環境下でも安定して機能、この点でもシリコンに勝る。ガリウムは太陽ニュートリノの研究にも用いられているが、最大の消費者はやはり電子産業で、主に半導体材料として使用されている。
世界のガリウム消費は年率10%の成長が予想されており、2003年の285トンから2008年には350トンに拡大する見通しだ。最大の消費国は日本で、1999年にはおよそ110トンを消費した。米国の40トンがこれに続く。同和鉱業は、1999年当時、世界のガリウム需要は1998年の152トンから2002年の200トン、2008年の400トンに拡大すると予想した。インドの年間生産量は僅か45キロだが、需要は700キロにのぼる。
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