2003-07-04 ArtNo.31488
◆鉄鋼大手、7月1日よりトン当たり200~500ルピー値上げ
【ムンバイ】重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)の打撃を乗り切った中国における力強い需要の回復に乗じ、地元の主要鉄鋼会社、Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)、Essar Steel Ltd(ESL)、Ispat Industries Ltd(IIL)、Steel Authority of India Ltd (SAIL)、Jindal Vijaynagar Steel Ltd(JVSL)は、7月1日からトン当たり製品価格を200~500ルピー引き上げた。
インディアン・エクスプレスが7月2日報じたところによると、これらの企業は中国が引き続きインド鉄鋼産業に高収益を約束する市場で有り続けるとの自信を深めている。
ESLオフィシャルは、熱間圧延(HR)/冷間圧延(CR)コイルのトン当たり価格を200~500ルピー引き上げたことを確認した。HRコイルのトン当たり価格は1万7600ルピーから1万8000ルピーに引き上げられた。CRコイルのそれはこれまでの価格レベルに100米ドルが上乗せされた。
TiscoはHR/CRコイルのトン当たり価格を、300~500ルピー引き上げ、IISLとJVSLもトン当たり製品価格を400~500ルピー引き上げた。SAILはHRコイルのトン当たり価格を500~600ルピー、建設用条鋼価格をトン当たり200~400ルピー、それぞれ引き上げた。
Tisco筋によると、中国の新規輸入割当の発表に伴い、HRコイルの国際価格はトン当たり15米ドルほど上昇。こうしたことがインド国内価格の引き上げにつながった。ユーザー業界もこうした値上がりを既に予想していた。
業界観測筋によると、カナダ・ドルの対米ドル相場強化は、生産コストを約30米ドル引き上げ、このこともインド鉄鋼会社に幸いした。国際鉄鋼価格は、底値からトン当たり250米ドルほど回復したが、ユーロの対米ドル相場強化は、欧州産鉄鋼製品を高価にした。また中国、インド、独立国家共同体(CIS)、南米、中東における経済の成長基調は持続しており、こうしたこともインド鉄鋼業界に恩恵をもたらしていると言う。
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