2003-07-02 ArtNo.31477
◆日立のAmtrex Hitachi支配権益買収、証券法違反も
【ムンバイ】インド証券取引局(SEBI:Securities and Exchange Board of India)は、LalbhaiグループからAmtrex Hitachi Appliances(AHA)の19.4%権益を買収した日立に、企業権益買収規則(takeover code regulations)違反の疑で、15日以内に理由開示を求める通達(show-cause notice)を送付した。
エコノミック・タイムズが6月30日報じたところによると、日立は当該権益の取得がプロモーター間の取引であることから、公開買い付け義務の免除を求めていた。しかし日立は2002年12月24日に同権益を1株41.6ルピーで買収したが、同価格はそれに先立つ26週間の平均価格約20ルピーを25%以上上回っていた。SEBIの企業権益買収規則の下、株式の取引価格が26週間の平均価格を25%以上上回る際は、譬えプロモーター間の取引であっても、別途20%のシェアを公開買い付けせねばならない。
SEBIはLalbhaiグループに対しても企業権益買収規則違反容疑で、理由開示通達を送付した。それによるとLalbhaiグループはIndustrial Credit and Investment Corporation of India(ICICI)からAHAの9.9%のシェアを2002年9月27日に1株33.5ルピーで買収したが、当時のAHA株の市価は19ルピーだった。Lalbhaiグループはその後AHAの19%の全持分を日立に売却、日立への権益売却はプロモーター間の取引と主張した。しかし、LalbhaiグループはICICIとの取引を通じてそのAHA持分を15%以上に拡大、しかも取引価格は市価を25%以上上回ってたため、公開買い付け義務が生じると言う。
日立はこうした嫌疑に対して、同社のAHA権益購入価格はLalbhaisとICICIの取引価格を25%以上上回っていないと主張している。
SEBIは2002年10月にLalbhaiグループの質問に対し、ICICIからAHAの26.3%の権益を買い戻す際は、公開買い付け義務が生じると回答していた。
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