2003-06-25 ArtNo.31437
◆石油天然ガス相、各州にエタノール課税率の合理化要請
【ニューデリー】エタノール(純度95.5%のアルコール)供給価格を巡る製糖会社と石油会社の交渉がまだ決着していないのに加えて、アンドラプラデシュ州とウッタルプラデシュ州を除く大部分の州がエタノールに法外な税を課していることから、このままでは中央政府のガソホール(ガソリンとアルコールの混合燃料)プログラムの実行可能性が失われる恐れがあると懸念するRam Naik石油天然ガス相は、主要サトウキビ産地の首席大臣に販売税やその他の地方税率の合理化を求めた。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが6月23日報じたところによると、アンドラプラデシュ州は州内におけるエタノールの販売には4%の販売税(sales tax)を、また州外から持ち込まれるエタノールには1リッター当たり1ルピーの輸入税(import fee)を課している。
ウッタルプラデシュ州は州内で販売されるエタノールに1リッター当たり0.80ルピーの購買税(purchase tax)を、また州外で販売されるエタノールには1リッター当たり0.50ルピーの輸出税(export fee)を課している。
カルナタカ州は、州内あるいは州外で生産もしくは消費されるかに関わらず、エタノールに1リッター当たり一律2ルピーの特典税(privilege fee)を課している。
タミールナド州とマハラシュトラ州は最高の税率を課しており、タミールナド州の場合は、12%の販売税(sales tax)、5%の付加税(surcharge)、リッター当たり1ルピーの州行政費(State administration fee)が課され、さらに州外で販売される際は1リッター当たり3ルピーの輸出税(export fee)が課される。
マハラシュトラ州については、4%の販売税(sales tax)、10%の付加税(surcharge)、1%の売上税(turnover tax)、1リッター当たり0.30ルピーの州行政費(State administration fee)が課され、さらに州外で販売される際は1リッター1.5ルピーの輸出税(export fee)が課される。
この他、パンジャブ州では、20%の販売税(sales tax)、2%の付加税(surcharge)、1リッター当たり0.60ルピーの輸入税(import fee)が、ハリヤナ州では20%の販売税(sales tax)、2%の輸入税(import fee)が、グジャラート州では20%の販売税(sales tax)が、それぞれ課されている。
この他、中央政府もエタノールに一律16%の消費税(excise duty)を課している。
このため石油会社は、ガソホールが市場性を有するためには、例えばタミールナド州におけるエタノールの工場出荷価格は1リッター17.50ルピー以下に引き下げられねばならないと主張している。これにガソリンとのブレンディングが行われるペトロ・デポ・ポイントまでの輸送コストを加えると1リッター当たり24~25ルピーになる。
州政府は現在飲料用アルコールにのみ消費税(excise duties)を課すことを認められており、同課税率はしばしば100%を超える。しかし工業用アルコールもしくはエタノールには販売税のみを課すことが認められている。同課税率は一般に消費税率を大きく下回る。
州政府の消費税収入は2万クロー(US$42.657億)にのぼるが、飲料用アルコールが工業用に転換されるなら、主要な歳入源を失うことになるため、そう簡単に税率の合理化に応じられないと言う事情が有る。
とは言え製糖業界筋によると、大部分のエタノールは、糖蜜の余剰が存在する州から供給されているため、飲料用アルコール製造原料がエタノールの製造に転用されると言う可能性はそう大きくない。
またパンジャブ州とハリヤナ州の蒸留業者は、飲料用アルコールの製造の方が高収益が望めると見ており、このことは北部におけるエタノール需要は主にウッタルプラデシュ州産により満たされることを暗示している。同様にアンドラプラデシュ州でも蒸留業者のキャパシティーは、それほどエタノールの製造に転用されておらず、南部の需要はタミールナド州とカルナタカ州により賄われる見通しだ。このためその他の余剰製造能力を有する唯一の州、マハラシュトラ州は西部と東部の需要に応じることになりそうだ。
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