2003-06-25 ArtNo.31436
◆メタノール製造会社、国際価格の暴落と輸入の急増で打撃
【ムンバイ】国際価格の暴落に加え、地元トレーダーが輸入を拡大、国内価格も下落したため、地元メタノール・メーカーの収益性が深刻な打撃を受けている。
インディアン・エクスプレスが6月23日トレーダー筋の言として報じたところによると、過去4ヶ月間にメタノールの国際価格は25%前後下降した。この結果、同期間の輸入量は、昨年同期の1万5000トンから5万トン以上にジャンプ、国内価格も15-20%落ち込んだ。
Deepak Fertilisers、Rashtriya Chemical Fertilisers (RCF)、Gujarat Narmada Fertiliser Corporation (GNFC)等の指導的地元メタノール・メーカーは国際価格に連動して値下げを強いられている。メタノールは主にジメチル・テレフタレート(DMT:dimethyl terepthalate)、医薬品、溶剤、染料、塗料等の製造に用いられている。
マハラシュトラ州Mumbaiにおける1メートル・トン当たりの価格は、4月の2万1000ルピーから6月20日の1万8000ルピーに、同期間の国際価格は315米ドルから240米ドルに、それぞれ下降した。輸入メタノール価格は1メートル・トン当たり1万5000ルピーまで下降するものと予想されている。
トレーダー筋によると、重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)の打撃を受けた中国の需要減退が、国際価格暴落の主因で、インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、その他の国の輸入業者は、この機に乗じて大量の予約注文を行った。このためアナリストらはこうした低調な価格レベルが向こう3ヶ月間も維持されるものと見ている。ちなみにインドの年間国内需要は約60万トンで、内10万トン前後を輸入している。
来月は、イラン方面の供給も加わるため、メタノールの国際価格は一層の落ち込みを見るものと予想される。国際輸出業者はインド市場への売り込みに積極的で、今後イラン・トレーダーのインドへの売り込みも活発化する見通しと言う。
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