【ハイデラバード】地元アニメーション産業の大きな潜在性に注目するソフトウェア・サービス会社全国協会(NASSCOM:National Association of Software and Service Companies)は、ナショナル・ブランド・アイデンティティーの確立を目指し、主要市場に代理人を配置するとともに、アニメーション制作者への資金提供や各国との戦略的協定の調印、アニメーション・パークの創設等を計画している。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが6月21日報じたところによると、アンドラプラデシュ州のN. Chandrababu Naidu首席大臣は先週金曜、同州Hyderabadで催されたアニメーション会議の席上、『Nasscomアニメーション・レポート』を発表した。
Nasscomは同レポートの中でインド・アニメーション産業を向こう3年間に2倍以上の規模に成長させるための4戦略を提案している。第1は内需成長の加速とアウトソーシングの促進を通じた需要の創出、第2は揺籃期の産業に対する手軽で低コストな資金へのアクセス提供、第3は世界水準のインフラ整備、第4は人的資源の育成。
この他、Nasscomは、カナダ、英国、ニュージーランド等の国と関係条約を結ぶため協議を進めており、間もなく合意が得られる見通しだ。こうした条約は、調印国間の長期的関係の樹立を促し、同業者間の情報交換を促進する。
またカナダ等とコプロダクション条約を結ぶなら、関係当局の支持の下にアニメーション・コンテンツを開発できる。またコプロダクション条約はアニメーション制作契約につながり、インドのアニメーション制作サービスに対する需要を拡大、アウトソーシングを活発化させる。加えてコプロダクション・パートナーは当局の金融支援を受けるのが容易になる。
必要資金の確保は原作制作上の主要なハードルと言え、アニメーション制作者に対する融資やベンチャー・ファンドの提供が鍵になる。
目下のところインドのアニメーション産業は、主にコスト効率を評価されているが、品質を評価されるよう、イメージ転換する必要があると言う。
NasscomのKiran Karnik会頭は、インドがアニメーション産業を振興する上で最大の関門は人材の確保と見られると指摘した。