【ニューデリー】マージンの下降と参入者の増加で、これまで急成長を遂げてきたエアコン市場に地殻変動が生じ、一部プレーヤーが脱落する可能性も予想されている。
エコノミック・タイムズが6月7日報じたところによると、冷蔵庫市場の4分の1を下回るエアコン市場には、以前の2倍以上のブランドが犇めいている。年間300万台以上の冷蔵庫販売台数に対して、エアコンの年間販売台数は約65万台に過ぎないが、過去数年にわたる二桁成長に魅せられ、新規プレーヤーの参入が相次いだ結果、黒字経営を続けるエアコン専門会社は希になっている。
今シーズンの新規参入者にはOnidaとFeddersが含まれるが、ここに来てモンスーンがスタートしたことから、短い夏期シーズンのつけとして商品の余剰在庫を抱え込む者も出ている。業界は、今シーズンの成長率を20%と予想していたが、夏期の到来の遅れから4月の販売は低調な数字に終わった。
マーケット・リーダー、LGのSalil Kapoor製品主任は、「電子製品や家電製品とセットにして販売できるインフラを保持するものは、コストを分散できるが、スタンドアローンのエアコン会社が利益を上げるのは難しい。仮に6月と7月の売上げの伸びが15%を下回るようなら、シェイクアウトは避けられない」と指摘した。しかしHitachi Home and Life Solutions India(HHLSI)のAnil Gupta営業主任は、「エアコンの普及率が依然低いことから、シェークアウトはそれほど早く起こらない」と予想する。
これまでのところトップ・プレーヤーは過去2ヶ月20%以上の成長を遂げており、新参者は、トップ・プレーヤーのシェアを浸食するには至っていない。しかしボトム・ラインに関しては、HHLSIやVoltasを含め大部分のエアコン会社が赤字経営を続けている。昨年黒字を回復したCarrierや工業用エアコン・システムを中核とするBlue Starは例外として、韓国の電子大手2社、LG及びSamsungがエアコン・ビジネスで利益を上げているか否かは定かでない。とは言えこれら韓国メーカーは、多様な製品ポートフォリオとボリューム販売から、赤字経営の可能性は少ないと言う。