【ニューデリー】石油天然ガス省は、3年乃至4年内に天然ガスの自給が可能になることが明らかになったため、天然ガスの需給見通しに見直しを加えている。
ビジネス・スタンダードが6月9日報じたところによると、石油天然ガス省の動きは、液化天然ガス(LNG)輸入プログラムとも関係している。
第10次5カ年計画期間の、天然ガスの国内生産量は1日当たり8576万標準立方メートル(MSCM)と見積もられている。しかし同見積もりは、RelianceのKrishna-Godavari海盆における天然ガス発見の報道以前になされたものと見られ、Krishna-Godavari海盆や他の地域におけるガス田の発見や探査活動の進捗によりシナリオは一変した。
Avinash Chandra炭化水素資源総監(DGH:director-general of hydrocarbons)によると、Relianceは、2006-07年以降日量4500万標準立方メートルのガスを生産するものと見られ、天然ガスの国内生産量は現在の日量7000万標準立方メートルから2006-07年の1億4200万標準立方メートルに拡大する見通しだ。第10次五カ年計画のワーキング・グループは2006-07年の国内需要を1億3500万~1億5000万立方メートルと予想しており、国内生産のみでほぼ国内需要を賄えるようになる。
しかし以上の国内生産量予測には、Krishna-Godavari海盆の潜在性は反映されていない。同鉱区で探査活動に従事するRelianceもOil and Natural Gas Corporationも、今後の探査活動の成果に極めて強気な見通しを示している。
業界観測筋によると、Petronet LNGが今年末から開始する年間500万トンのLNG輸入も配慮するなら、インドはガスの供給過剰に直面するものと見られる。電力部門や肥料業界にさしたる投資計画が存在しないことから、輸入されたLNGは多くの小口ユーザーに供給されることになる。このことはパイプラインの敷設やガス輸送に多額の投資をせねばならないことを意味する。このため高価なLNGを輸入し、それほど高価でない国産ガスの利用が蔑ろにされると言った不健全な状況が現出する可能性が予想されると言う。