【ニューデリー】松下電器産業の現地合弁会社Matsushita Television & Audio India Ltd (MTAIL)は、先月末パナソニック商標のカラー・テレビジョンを海外市場向けに初出荷した。
インディアン・エクスプレスとエコノミック・タイムズが6月5/6日報じたところによると、MTAILの荻島重役(MD)はインディアン・エクスプレスに以上の消息を語った。それによると、同社はパナソニック・オペラ及びパナソニック・ソフィア商標のCTV3万台以上を中東市場に輸出する。去る5月30日には第1陣として2000セットが出荷された。これには14、20、21インチのCTVセットの他、インドで製造された“Tau Giga”ブランドのハイエンド・フラット・スクリーンCTVも含まれている。後者の価格は10万ルピー以上。これらは湾岸諸国では別のサブ・ブランドで販売される場合もある。MTAILが保持するロジスティクス面のメリットやインド製CTVの品質が評価されたもので、同社は今後さらに多くのこの種の注文が寄せられるものと期待している。また、インド以外の地域の音質に敏感な顧客をターゲットに海外市場の開拓を積極化する計画だ。
消息筋によれば、MTAILは最近トップ・レベルの経営陣に日本人スタッフ2人を加えるとともに、マーケッティング子会社National Panasonic India (NPI)に約40クロー(US$853万)を注入した。この点からも親会社はインド国内市場の開拓に力を入れる一方、インドを輸出ベースとして利用する計画と見られる。NPIはインド全国に13のオフィスを設け、121のサービス・センターを展開している。
MTAILは2000-01年に3.74クロー(US$80万)、2001-02年に2.52クロー(US$54万)の損失を計上したが、2002-03年には8.30クロー(US$177万)の税引き利益を回復した。しかし営業額は139.91クロー(US$2984万)と、前年の174.56クロー(US$3723万)を下回った。市場調査会社ORG-GfKの統計によれば、パナソニックの2003年第1四半期(2003/1-3)のCTV市場シェアは約1%、フラットTV市場シェアも1.5%にとどまったものの、フラットTVセグメントにおける売上げは97%の成長を見たと言う。