2003-06-09 ArtNo.31322
◆三菱化学、ハルディアPTAプラントの公害問題に直面
【コルカタ】三菱化学は、西ベンガル州Haldiaに設けた高純度テレフタル酸(PTA)プラントMCC PTA India (MCPI)の公害問題に直面している。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが6月6日消息筋の言として伝えたところによると、MCPIの主要プロモーターを務める三菱化学は水質基準を満たすデッドライン(6月30日)をクリアするため全力を上げている。ちなみに三菱化学は、公害リスクをカーバーするため250万ルピーの銀行保証を西ベンガル州公害防止局(WBPCB:West Bengal Pollution Control Board)に提出している。
WBPCB筋によると、MCPIは操業開始後2年ほどは順調だったが、その後リッター当たり30ミリ・グラムの生物学的酸素要求量(BOD:biological oxygen demand)基準を維持するのが困難になった。BODは水質検査のパラメーターとされる他、工場排水中の酸素含有量の検査に用いられる。
MCPIのSujit Basu重役(副GM補)によると、昨年10月以来同問題に直面、科学産業調査評議会(CSIR:Council for Scientific and Industrial Research)傘下の全国環境工学研究所(NEERI:National Environment Engineering Research Institute)や全インド公衆保健衛生研究所(AIIPHH:All-India Institute of Public Health and Hygiene)にもコンサルテーションを求め、問題解決に努めて来た。BODレベルは下降したものの、恒久的に低レベルを維持するのが難しい状態にある。しかし同社は問題克服に自信を抱いていると言う。
WBPCBはいわゆる“指揮統制(command-and-control)”方式に代えて銀行保証スキームを導入した全国の2公害防止局の1つで、2002年1月から2003年3月の間に152のケースについて銀行保証の提出を求めた。その結果、これまでに14社が基準を満たすことができずに銀行保証を没収された。これらの企業には、Shalimar paints、Unistar Galvanisors and Fabricators、西ベンガル電力開発公社傘下のBandel Thermal Power Station、Exide Industries、Rasoi Ltd、Durgapur Projects Ltd、Berger Auto Industrial lamp、Coatings Ltdが含まれる。
また、Hindustan Motors、Hindustan Lever、Eveready Industries、Indian Oil Corporation等、少なからぬ大手企業が、査問を受けたが、大部分の企業はこれまでに基準をクリアしたと言う。
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