【ニューデリー】ここ数ヶ月少なからぬインフラ・プロジェクトが中国企業により落札されたことから2年前に導入された中国からの投資に対する慎重策が緩和されつつあるのではないかと観測されている。
ビジネス・スタンダードが6月6日報じたところによると、こうした動きはAtal Bihari Vajpayee首相の今月22日の訪中計画に先行する形で生じたが、首相の中国訪問期間には両国の相互投資問題が主要課題の一つとして討議されるものと予想される。
インドの駐北京大使館の発表によると、山東電力建設(SEPCO:Shandong Electric Power Construction Corporation)は、Sterlite傘下のBharat Aluminium Company (Balco)からチャッティースガル州Korbaの4×135MW(メガワット)キャプティブ発電プロジェクトの工学/資材調達/建設(EPC)契約及び3年間の経営契約を獲得した。SEPCOは同契約を2億3000万米ドルで落札、4月にBALCOとの間で関係契約に調印した。SEPCOはこれ以前にBALCOの子会社Malcoから同様の契約を獲得、完成させている。
中国企業はこの他、インド全国高速道路局(NHAI:National Highways Authority of India)が進める黄金の四辺形(Golden Quadrilateral)プロジェクトや東西回廊(East-West corridor)計画にも参画している。例えば中国煤炭建設集団公司(China Coal Construction Group Corporation)は2002年にウッタルプラデシュ州におけるナショナル・ハイウェーの4車線拡幅工事と2車線道路の補強工事を獲得しており、最近は新たに中国企業9社が見積もりコスト4500万~8000万米ドルの東西回廊4車線拡幅工事の入札資格を認められた。
インドはこれまで中国からの投資に対していわゆる“二重濾過待遇(double filtration treatment)”を適応して来た。この種の待遇は、ソフトウェア・プロジェクトや中国国境隣接地におけるプロジェクト(ヒマチャルプラデシュ州等)等、政治的に敏感な領域におけるプロジェクトに適応されている。自動認可ルートのプロジェクトでさえ予告記載(caveat)措置が適応されており、例えば、2年前に中国企業がBombay docksの浚渫工事を落札し際に、海軍基地に近いとの理由で取り消された経緯が有る。またNational Thermal Power Corporation傘下発電所の調査業務から中国企業は閉め出されている。インド政府筋は、二重濾過待遇は今後も維持されるとしている。