【ニューデリー】家電業界は今や冷蔵庫とエアコンの販売に鎬を削り、積極的な広告宣伝を行っているが、洗濯機に目を向けるものはない。各社が洗濯機の販促に多額の資金を投入、宣伝戦を展開した時期もあったが、耐久消費財の主要カテゴリーを成す同部門の市況は過去3年低迷し続けており、そうした光景は最早目にされなくなった。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが5月21日報じたところによると、消費者用電子/TV製造業者協会(CETMA:Consumer Electronics and TV Manufacturers Association)のオフィシャルは、「洗濯機市場は過去数年、目立った成長を見ていない」と指摘した。昨年の販売台数は130万台に達したものと見られるが、信用格付け会社ICRA(Investment Information and Credit Rating Agency)Ltdの調査報告によれば、実際のところ洗濯機市場は2002会計年度にはマイナス成長を記録した。
CETMA筋によると、市況低迷の理由の1つには、水と電気の安定した供給が確保できないインフラの欠如が挙げられる。加えて低コストで家内ヘルパーを容易に雇用できることが、もう1つの理由と言える。また洗濯機の利用は都市部に集中、農村部の貢献は全体の10%に過ぎない。2003年の状況が改善するか否かに関しても、業界アナリストらは慎重な見方を示している。
ICRAの報告によると、組織部門の年間洗濯機製造能力は363万ユニットと見積もられ、ここ数年多国籍企業のシェアが拡大している。インドの洗濯機普及率は他国に比べかなり低い上、需要の地域的分布も、北部が41.5%、西部が26.1%、南部が24.4%、東部が8%と一様でない。