2003-05-19 ArtNo.31184
◆米国鉄鋼業界、インド産ステンレス鋼の輸入規制要求
【ニューヨーク】米国鉄鋼業界は、インド政府が対米ステンレス・スチール輸出の急増を抑制する約束を履行していないとし、関税引き上げ等の防衛策を講じるよう米国政府に要求した。
エコノミック・タイムズが5月16日PTI電を引用し報じたところによると、Speciality Steel Industry of North American (SSINA)会長を務めるSlater Steel, IncのPaul Kelly社長兼CEOは、George W Bush米国大統領に宛てた書簡の中で、「インドは米国市場に壊滅的打撃を与えており、行動をとるべき時が来ている」と訴えた。
目下のところインド産ステンレス・スチールは、米国鉄鋼輸入救済計画(Steel import relief programme)の適応を受けていない。同プログラムの下、米国政府は輸入関税の引き上げや輸入関税割当(TRQ:tariff rate quota 輸入割当を設定し、割当を超えた場合に関税を賦課)等を適応できる。
Kelly氏の書簡は、「インド政府とインド鉄鋼業界は、鉄鋼対米輸出の増加を今年1月までに停止させると言う約束を未だに履行していない」と非難している。関係約束はインド政府が昨年末の協議に際して米国通商代表部のロバート・ゾーリック代表に対して行ったもの。
同書簡によれば、2003年1-2月のインドからのステンレス・スチール輸入は2001年同期の3倍、また輸入が激増した2002年の同期に比べても37%の増加を見た。特にステンレス山形鋼の輸入は2001年の月間平均に比べ635%ジャンプ、2月に米国が輸入した山形鋼全体の99%を占めた。商務省のデータは、インド・メーカーからの輸入許可申請が依然として極端に高いレベルに有ることを示していると言う。
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