【ニューデリー】鉄鋼省傘下のJoint Plant Committee(JPC)は、今年(2003-04)の国内鉄鋼需要の伸びは6％にとどまると予測するとともに、昨年の外需に代わり今年は内需が鉄鋼産業成長の主要な牽引役を務めると予想している。
ビジネス・スタンダードが5月13日報じたところによると、昨年のインド鉄鋼産業の収益は輸出の35％の成長に支えられたが、今年は急成長するインフラ及び住宅部門を中心とした国内需要に依存することになりそうだ。輸出市場、取り分け中国市場の需要は下降線を辿っている。
業界消息筋によると、中国では有効な貿易金融申請書類が少なからぬ銀行により棄却されたことから、鉄鋼輸入が停頓した。銀行により棄却された鉄鋼関連の貿易金融申請は1億米ドル以上にのぼるとされる。またインドの国内価格は、国際価格ほど落ち込みを見ていないため、鉄鋼メーカー自体、今では国内市場に目を向け始めている。
アナリストらは、国際価格がトン当たり250米ドルの水準を保つと予想する一方、中国の状況は向こう2ヶ月間が鍵になると評している。しかし鉄鋼会社筋は、中国市場の動向に関しては現状で如何なる予測を行うことも時期尚早とし、観望姿勢をとっている。Steel Authority of India Ltd(SAIL)幹部は、「現状で輸出が下降すると判断することはできず、中国が次の輸出注文を行うのを待つ必要がある」と指摘した。