SEAnews 2003-05-12 ArtNo.31140

【ニューデリー】国内需要が低迷する中、National Aluminium Company Ltd(Nalco)とHindustan Aluminium Company Ltd(Hindalco)の設備拡張プロジェクトが年内に稼働することから、アルミ業界は輸出市場の開拓を通じ需給ギャップの拡大を乗り切るものと見られる。
エコノミック・タイムズが5月7日伝えたところによると、アルミニウムの輸出は過去数年二桁成長を続けて来た。また国内における建設活動の活発化で、アルミ押出成形部門も健全な成長を遂げている。
国内生産の4分の3を占めるNalcoとHindalcoの拡張プロジェクトは年内にフル稼働するものと見られる。Hindalcoの設備能力は31万トン、Nalcoのそれは29万トンに拡張される。
石炭の供給問題から昨年第2、第3四半期に生産の削減を強いられたHindalcoは、正常な操業を回復、昨年第4四半期にはアルミニウム生産の8％の成長を実現した。昨年第3四半期には10％の落ち込みが記録されていた。
業界アナリストは、国内のアルミニウム生産が今年は10万8000トン、来年はさらに8万5000トン追加されるものと見ている。Citigroupは最近の評論の中で「ロンドン金属取引所(LME)の低調な取引と国内における過剰供給から、国内価格は下方圧力を受ける」と予想している。この点に関してNalco幹部は「国内に設備過剰状況が生じるのは事実だが、ＬＭＥの価格動向を予想するのは難しい。何れにしても需要を上回る生産物は輸出するだけ」と語った。
国内の需要の3分の1は、電力部門に依存している。これは運輸部門が需要の大きな部分を占める国際的傾向と相違している。現在、電力部門の需要は軟化しており、例えばワイヤー・ロッドの昨年の需要は低調だった。業界観測筋は、「送電・配電部門の投資が拡大しない限り、需要の低迷は持続する」と予想する。とは言え、電力事業法(electricity bill)が国会を通過すれば、状況は変化するものと見られる。また建設部門の活況で押出成形部門の好調も持続する見通しだ。