SEAnews 2003-05-07 ArtNo.31114

【ニューデリー】今年のエアコン販売は、トラック運送業者のストライキ、取り分け多くのエアコン会社が拠点とするマハラシュトラ州におけるストライキの長期化、付加価値税(VAT)導入に伴うメーカーとディーラー間の取引の混乱、不順な天候(ｴｱｺﾝ業者にとって)等に祟られ、期待を裏切る成長にとどまっている。
ビジネス・スタンダードが5月6日報じたところによると、LG Electronics IndiaのSalil Kapoorエアコン部門主任は「当初、今年のエアコン販売は業界全体で昨年比25％成長すると期待したが、今となっては15％を超えることはなさそうだ」と語った。エアコン販売は2000年に32％の伸びを記録した後、2001年には僅か8％の成長に鈍化したが、昨年(2002)は、長く、蒸し暑い夏に助けられ、25％の成長を遂げた。
ＬＧは立地条件も幸いし、引き続きエアコン市場をリード、Samsung、そして新参のWhirlpoolも好調だが、VoltasのKJ Jawa副社長(ﾏｰｹｯﾃｨﾝｸﾞ/輸出担当)は「売上げは本来ならもっと高いものになったはずだが、マハラシュトラ州におけるトラック業者のストライキに祟られた」と語る一方、「過ごしやすい天候が続くならエアコン業界は、売上げ予想に見直しを加えねばならなくなるだろう」と指摘した。同氏によると、4月には20日間にわたり製品の輸送が停頓、同月の売上げの伸びは15－16％にとどまったものと見られる。今年通年の成長率も15－20％と予想されると言う。
今年1－3月のエアコン販売は18万台と、昨年同期に比べ20％の成長を見た。4月に限っては昨年同月比15－16％増の9万5000台が販売された。
小売業者らによると、4月にはより多くの顧客の来店が期待されたが、トラッカーのストライキが災いし、在庫が底をついた。このため来店者も手ぶらで帰って貰う他なかったと言う。
キャパシティー1.5トンのウィンドー・エアコンの価格は1000ルピー前後、1.5トンのスプリット・エアコンのそれは2000ルピーほど、それぞれ値下がりしたが、ホーム市場向けエアコン販売の伸びは、昨年の50％弱に続き、今年は60％前後に達し、業界の期待に応えている。WhirlpoolやSamsungの屋外広告からも、業界がホーム・マーケットに照準を合わせていることが窺える。また少なからぬメーカーが北部地区に製造拠点を設け、ポスト・プロダクション・コストの削減を図っていると言う。