2003-05-02 ArtNo.31082
◆Indian Rayon、黒色顔料/絶縁体/ビスコース事業拡張
【ムンバイ】Aditya Birlaグループ傘下の多角経営会社Indian Rayon & Industries Ltd(IRIL)は、今会計年度、黒色顔料(carbon black)/絶縁体/ビスコース長繊維(VFY:viscose filament yarn)ビジネスを拡張する。
ビジネス・スタンダードとヒンドゥー・ビジネス・ラインが4月29日報じたところによると、タミールナド州Chennaiに設けた黒色顔料製造施設の年産量が2倍の8万トンに拡大されるのに伴い、同社の総生産能力は15万トンに達する。この結果、同社はRPG傘下のPhillips Carbon Blackを追い越し、国内最大の黒色顔料メーカーになる。IRILのAdesh Gupta重役(CEO)によると、自動車市況の復調に伴いタイヤ産業の活況が予想されることから、今会計年度は黒色顔料ビジネスの大幅な成長が望める。黒色顔料ビジネスの拡張コストは60クロー(US$1267万)前後と見積もられる。
日本ガイシとの合弁会社として分離独立させられた絶縁体ビジネスのキャパシティーは、ほぼ25%増の4万2000トンに拡張される。コストは22クロー(US$465万)と見積もられる。日本ガイシの支援で品質と生産効率のアップが図られ、海外の様々な地域のハイエンドな需要にも応じられるようになる。
昨年、売上げの47%の伸びが記録されたビスコース短繊維(VSF:viscos staple fibre)部門には今年内に50クロー(US$1056万)が追加投資され、主に輸出品の品質向上が図られる。IRILのVikram Rao衣料品ビジネス主任によると、パワー・ブランドに照準を合わせる方針を決めた同社は、Madura Garmentsに属するByfordブランドの将来に関して検討を加えている。しかし同ブランドを売却する考えは今のところない。向こう数ヶ月検討した後、ある種の再編措置をとるか、それ以外の方策を講じるか決定する。
IRILの2002-03年の純益は、VFY部門の好調に支えられ、142%の成長を見た。VFY部門は取り分け第4四半期に顕著な業績の向上を見た。売上げは1443クロー(US$3.047億)と微増にとどまったが、絶縁体ビジネスを分離独立させたため、前年の数字と単純に比較することはできない。もし分離されなかったなら、売上げは15%ほど増加したものと見られる。
石油精製会社Mangalore Refinery & Petrochemicals Ltd (MRPL)の投資に関しては57クロー(US$1204万)の損失が計上されたが、ビルラ・グループは現在MRPL持分の売却を図っている。
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