SEAnews 2003-04-14 ArtNo.30983

【バンガロール】イラク戦争と東南アジアを襲った重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)のお陰でインドを訪ずれる顧客が激減したことから、インド・ソフトウェア産業をリードするInfosys Technologies(Infy)も多少に関わらずビジネスに影響を受けていると言う。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインとインディアン・エクスプレスが4月11日報じたところによると、InfyのNandan M. Nilekani社長兼CEO兼MDは10日催された年次業績報告会後記者会見し以上の消息を語った。それによると3月15日以降、同社キャンパスを訪れた顧客は1社も存在しない。
S. Gopalakrishnan重役(副MD兼COO)によると、Infyは従業員が香港／シンガポール／東南アジア諸国を訪れるのも規制しており、香港勤務の従業員は呼び戻した。しかし南部中国地域とのビジネスは僅かなため、それほど大きな影響は受けていない。
Infyの中国市場進出計画は初期の困難に直面したものの、間もなく中国支店をオープンできる見通しだ。ある種のビジネスを既に獲得しており、中国市場の研究も依然として続けている。中国には支店業務に関するガイドラインと言ったものが存在せず、Infyは中国当局と関係問題を協議していると言う。
一方、Infyは2002－03年に5509人を新規雇用、従業員総数は1万5356人と、4618人の純増を記録した。この内、第4四半期のトレーニーを除くスタッフの稼働率は82.2％で、また今年(2003-04)第1四半期には800～1000人の新規雇用を予定している。
2002－03年第4四半期には新規顧客28社を獲得、1年間を通じて得た新顧客は92社に達した。しかしその一方で、過去1年以上にわたりビジネスを行っていない顧客も20社にのぼった。契約額4000万米ドルの顧客は2社、同3000万米ドルの顧客は3社、同2000万米ドルの顧客は9社、同1000万米ドルの顧客は16社、同500万米ドルの顧客は41社、同100万米ドルの顧客は115社を数える。
Infyは、今会計年度の純益の伸びを14～16％と見積もっており、引き続き慎重な先行き見通しを示している。