2003-04-14 ArtNo.30982
◆耐久消費財産業の成長加速:ICRA
【ニューデリー】信用格付け会社ICRA(Investment Information and Credit Rating Agency)Ltd傘下のICRA Information, Grading & Research Service (INGRES)の“Industry Watch Series ”報告書によれば、耐久消費財産業の成長加速が予想される。
インディアン・エクスプレスが4月11日伝えたところによると、2003-04年予算に盛り込まれた関税引き下げの主要な受益者にはカラー・テレビ(CTV)業界が含まれる。INGRES報告書はCTVに関しては、20/21インチの中型製品よりも25インチ以上の大型製品が急成長を遂げると予想している。それによると、デジタル互換性を有する平面ワイド・スクリーンのプレミアム製品が今後より多く発売されるものと見られる。
ICRA Ltdのマネージャー、Vineet Nigam氏によると、CTVのコストの40-45%を占めるカラー・ブラウン管(CTP:colour picture tubes)に対する関税が引き下げられたため、CTVの値下がりが予想される。
とは言えCTV業界プレーヤーの大部分はマージンの大幅な縮小で呻吟しており、昨年度は、十分な運転資金を保持し、ローン返済負担にも耐えられるものだけが、良好な生産性を実現した。
エアコンに関しては、マージンが既に極めて薄いことから、低価格よりも、新機能やアイデアにより、他社製品との相違が示されるものと見られる。180億ルピー(US$3.72億)の市場は大再編の時期を迎えており、未組織部門(unorganised sector)のシェアは一層縮小する見通しだ。韓国企業LG/Samsungに率いられる組織部門は、過去数年大幅な値下げを行い、消費税を払う必要のない未組織部門に対しても競争力を強化して来た。しかし報告書は、エアコン業界は今後、単価/マージン/収益率の一層の下降と、売掛金の拡大に直面するものと予想している。
シロモノ業界にも同様な傾向が見られ、市況低迷/市場シェアの縮小/競争の過熱から平均価格実現率(average realisations)の下降が見込まれる。しかし年商20億ルピー(US$4136万)の電子レンジ市場にはポジティブなトレンドが見られる。これは主に消費者サイドにおける製品認識の向上と製造業者サイドにおけるインド厨房文化や需要に応じたカスタマイズによる。
製品発売周期の短縮、新旧製品交代の加速、金融ファシリティーの充実が耐久消費財需要拡大の原動力になっている。
しかし、インドに特徴的な農村部の立ち後れは、インフラ面のボトルネックや農業収入の伸び悩み、さらには伝統的生活様式とともに、今後も存在し続けるものと見られる。
全てのカテゴリーに共通する成功の鍵としては、流通網の強化、先端技術へのアクセス、商標の知名度、市場知識、個々のプレーヤーのコンピテンシーと言った点が挙げられると言う。
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