SEAnews 2003-04-14 ArtNo.30978

【ニューデリー】中国が過去2週間に30～40％の鉄鋼輸入注文をキャンセルしたことからインド鉄鋼業界の向こう数ヶ月の輸出売上げに影響が出るものと予想されている。
ビジネス・スタンダードが4月11日報じたところによると、2002－03年にはインドの400万トンの鉄鋼輸出中100万トン近くが中国に向けられた。
中国では鉄鋼製品の在庫が急増、トン当たり価格は昨年10－11月時点の380米ドルから現在の280米ドルに下降している。こうした中で中国の輸入業者は、以前に結んだ旧価格の契約を破棄し、新価格で再契約することを試みている。これまで中国における供給は、実際の需要を超過しており、投機的な買い付けが横行していた。業界観測筋は、中国における市況が調整期を迎えており、国際鉄鋼価格にも影響が生じるものと見ている。
鉄鋼省傘下Joint Plant Committeeの主任エコノミスト、A S Firoz氏によると、世界の鉄鋼価格は今後多少下降するものと予想され、インド鉄鋼業界も圧力を受けそうだ。しかし中国の動向の影響がどの程度のものになるかを予測するのは難しいと言う。
インド鉄鋼業界の輸出依存は2002－03年に急速に高まった。公式の統計によれば、国内需要の伸びは4％にとどまったが、生産の伸びは5.9％に達したと言う。