【ニューデリー】ハイエンド製品に重心をシフトした家電製品や耐久消費財メーカーが、エコノミー・セグメントに再度方向転換する風潮が生じている。
エコノミック・タイムズが3月30日報じたところによると、ハイエンド・セグメントにおけるさしたる成果が収められなかったLG Electronicsは、最近、ロー・エンド製品をマーケッティングする計画を発表、親会社に1万ルピー(US$207)未満のオーディオ・システムの製造を求めた。
地元耐久消費財大手のBPLも近くロー・エンド・カラーテレビジョン(CTV)を発売、マーケット・シェアの挽回を図る計画で、農村部におけるアグレッシブなマーケッティング・キャンペーンを準備している。
先月、DVD 625Kをこれまでにない低価格8990ルピー(US$186)で発売したPhilipsは、B及びCタウンにおける好評に励まされ、4月にはミニ・セグメントにも同様の製品を投入する予定だ。
Philips India LtdのSharmila Sahai重役(視聴覚機器/家電担当GM)によると、低価格な中国製品が大量流入する中で、大手ブランドは競争を勝ち抜くため、こうした戦略の採用を強いられている。Baronグループが先鞭をつけたこの種の方式は最近になって、益々多くのプレーヤー、取り分け多国籍企業が加わり、一つの潮流になった。またプレーヤーらは、今やメトロ以外の地区の消費者をターゲットにするようになっており、この種の市場を開拓する際は、適切な価格設定が成功の鍵になると言う。
とは言え、中国製品の流入だけが、こうした潮流の原因と言う訳ではなく、OscarやBeltekと言ったバジェト・ブランドの急速な台頭も、耐久消費財メジャーに深刻な印象を与えたようだ。
消費者用電子/テレビジョン製造業者協会(CETMA:Consumer Electronics and Television Manufacturers Association)筋によると、カラー・テレビジョン(CTV)市場における小規模企業のシェアは2年半前には、取るに足りないものだったが、2001年には10%、2002年には20%に拡大、依然成長し続けている。
こうした傾向はVCDセグメントにも見られ、小規模プレーヤーは大手企業ばかりでなく、グレー・マーケットのシェアも切り取り、急成長している。そして今やこうした小規模プレーヤーはプレミアム・セグメントへの進出を図っているが、それとは対照的に大手ブランドがバジェット・セグメントに再度重心を移動している。
Oscar International LtdのArpita Khurana取締役は、同社の過去2年来の年率100%の成長は、エコノミー・セグメントの潜在性を証明していると指摘する。Oscarは、2003-04年にはCTV48万台、VCD120万台の販売を目指すと言う。
ちなみに2001-02年にCTV100万台強を販売したBPLは2002-03年には125万台の販売を見込んでいる。