2003-03-24 ArtNo.30837
◆RIL芳香族プラントの操業停止で最終製品値上がりも
【ムンバイ】Reliance Industries Ltd(RIL)がグジャラート州Jamnagarに設けた芳香族プラントの接触改質装置(platformer)セクションに、去る3月11日、触媒関連の問題が発生、操業を停止したことから、最終製品の値上がりが予想されている。
エコノミック・タイムズが3月21日、RILのステートメントを引用し報じたところによると、技術パートナーを務める米系石油コンサルタント会社Union Oil Products Inc (UOP)は、芳香族セクションの操業を停止し、修理を行うようアドバイスした。操業停止は4~5週間に及ぶ見通しだ。
ちなみに芳香族は主にオルトキシレン、パラキシレン、ベンゼンから成るが、RILは国内唯一のオルトキシレンの製造業者のため、取り分け同品目の供給逼迫が予想される。オルトキシレンは、塗料やポリ塩化ビニール(PVC)の製造に用いられるpthalicanhydrideの主要原料になる。
オルトキシレンの国内在庫量は数日分と見られるが、これに対してRILの操業再開は4~5週間後になる。オルトキシレンの輸入価格はこれまで上昇基調を辿って来たことから、Pthalicanhydrideの10%程度の値上がりが予想される。Schenectedy HerdiliaやIG Petrochemicals等の国内pthalicanhydride製造業者は、予想される全般的コスト上昇に対処するため、値上げの可能性を検討している。オルトキシレンのトン当たり国内価格は600米ドル強だが、目下輸入価格は675米ドルに達している。とは言え、ここ数日の原油価格の軟化からオルトキシレンの輸入価格も下降するものと予想される。
RILがJamnagarに設けた他の施設は、石油精製施設も含め、何れもフル操業を続けている。観測筋は、RILはパラキシレンの輸入を強いられる可能性も有ると見ている。パラキシレンは高純度テレフタル酸(PTA:purified terepthalic acid)やジメチル・テレフタレート(DMT:dimethyl terepthalate)等のポリエステルの製造に用いられる。RILがグジャラート州Haziraとマハラシュトラ州Patalgangaに設けたパラキシレン・プラントは平常通り操業しているが、パラキシレンのトン当たり価格はこれ以前の450米ドルから900米ドルに上昇している。
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